「ファンケル」の“マイクレ”が売れ続ける理由とは? 目指すはアジアの“クレンジング王者”
2009年から続く「WWDBEAUTY」のベストコスメ特集では、バイヤーのアンケートをもとに本当に売れた商品を表彰する。連載「ベスコス歴代名鑑」では、15年以上続く本特集の中でも常にランキングに入賞する“傑作”をピックアップ。時代を超えて愛される理由や商品の魅力について、美容ジャーナリストの加藤智一が深掘りする。
6回のリニューアルで累計売り上げ本数1億本突破!
目指すは、アジアの“クレンジング王者”
1997年に発売して以来、今年で27年目を迎えるロングセラーが「ファンケル(FANCL)」の代名詞ともいえる“マイルドクレンジング オイル(以下、マイクレ)”。販売実績のデータを取り始めたのは発売から6年を経た2003年度からにも関わらず、累計販売個数が1億本を記録したという、型破りなクレンジングオイルだ。
その持続的な人気を後押ししているのが、“マイクレ”を愛してやまないリピーターの存在。クレンジングも多様化している今、エイジングケアをする“美容液クレンジング”や、香りやテクスチャーが心地良いタイプなど、さまざまなクレンジングオイルが発売されている。それらに“浮気”してしまった人たちが、「“マイクレ”じゃなきゃダメだった」「やっぱり“マイクレ”がいい」と戻ってくることが多いといい、盤石な顧客が商品を下支えしている。
流行りのメイクに対応する“マイクレ”のアップデート力
では、なぜ顧客は“マイクレ”に戻るのか。ファンケル化粧品商品企画・寺本弥生は「肌の潤いは確保しつつも、その時々に流行っているメイクをしっかり落とせるよう技術革新を続けているから」と理由を語る。「これまで処方設計を6回改良しています。そもそも、“マイクレ”を発売するきっかけとなったのが、洗顔料では落とせないウォータプルーフタイプのマスカラや“落ちにくい口紅”などが流行ったことでした。その後もリキッドやクッション、バームなど、さまざまな剤型が出てくるファンデーションやステイン系リップ、まつエクなど、メイクトレンドにあわせて進化し続けています」。