ジュニアアイドル写真集もアウト? 「改正児ポ法」7月15日から罰則適用
7月15日から「児童ポルノ禁止法」の改正法が本格的に施行されます。ちょうど1年前、昨年7月に国会で成立した改正児童ポルノ禁止法は、「児童ポルノ」の定義をより細かく規定し、写真や動画などの児童ポルノを持っているだけの「単純所持」も違法として罰則を設けたものでした。この罰則の適用が15日から始まるのです。あらためて、改正児童ポルノ禁止法とはどんな法律なのか振り返ってみましょう。
よく分からない「児童ポルノ」の再定義
そもそも、以前の児童ポルノ禁止法は、警察当局が「児童ポルノ」と考える写真や動画の製作・販売を取り締まるためのものでした。しかし、子どもを性的な対象とした事件が後を絶たない中で、単純所持を規制することで児童ポルノの拡散に歯止めがかかるとの意見が与党内などから浮上。背景には、G8主要国で単純所持を禁止していないのが日本とロシアだけという事情などもあったといわれます。 そこで、まず改正法は「児童ポルノ」を再定義。以前の法律では、児童ポルノを「衣服のすべて、または一部をつけない児童の姿で性欲を興奮させたり刺激するもの」と幅広く規定していましたが、それを「殊更に児童の性的な部分(性器等もしくはその周辺部、臀部または胸部)が露出され、または強調されているもの」とより限定的にしています。その上で、インターネット上で閲覧できるもの、パソコン内でデータとして持っているものを含め、「児童ポルノ」に該当する写真や動画を手元に持っていると、単純所持として罰則を適用するというのです。 しかし、「児童ポルノ」の定義については、当初からあいまいという批判があるのも事実です。確かに児童ポルノの範囲は以前より具体的に規定されましたが、「性器等もしくはその周辺部、臀部または胸部」とはどこまでを指すのか、「強調されているもの」とはどの程度のものか、依然明確になっていません。 例えば、18歳未満のアイドルや、ジュニアアイドルと呼ばれるローティーンの写真集やDVDも児童ポルノの対象となるのでは、との声もあります。漫画家の赤松健氏は、撮影当時17歳だった宮沢りえさんの写真集『サンタフェ』を例に、「『サンタフェ』については国会でも議論になりましたが、結局よく分かりません。芸術作品なので……という議論のところまでは来たようですけど、芸術作品であることは『児ポ』にならない要件ではないので、やはりよく分からないのです」と指摘しています。漫画やアニメといった二次元の創作物こそ対象から除外されましたが、児童ポルノの範囲がどこまでなのかについては疑問の声も多いのです。