ドイツ・ロマン派を代表する作曲家、ブラームスが手がけた最後の管弦楽作品【クラシック今日は何の日?】
クラシックソムリエが語る「名曲物語365」
難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。
ブラームス『二重協奏曲』 ブラームスが手がけた最後の管弦楽作品とは
今日6月16日は、オーストリアのヴァイオリニストで指揮者、ヴィリー・ボスコフスキー(1909~91)の誕生日です。 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の第1コンサートマスターでありながら、同楽団の指揮者も務めたボスコフスキーは、ヴァイオリニストと指揮者の二刀流を最高峰のステージで実現した稀有な存在です。中でも1955年から79年までの長期にわたり、ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートを指揮し、今に至る花形公演の土台を築き上げた功績は不滅です。 そのボスコフスキーの初来日は1956年。大作曲家パウル・ヒンデミット率いるウィーン・フィルの来日公演にコンサートマスターとして同行。同楽団首席チェリスト、エマヌエル・プラベッツと共に、ブラームスの『ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲』を演奏したことは語り草です。 この曲は、ドイツ・ロマン派を代表する作曲家ブラームス(1833~97)が手がけた最後の管弦楽作品です。作曲当時54歳のブラームスは、その後、歌曲やピアノ曲、室内楽の作曲に専念します。
田中 泰/Yasushi Tanaka
一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。
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