7000人診察して見えた「仕事ができない上司たち」…「気合と根性」を連呼する「ヤバい実態」
現状を認識せず、根性と気合を強調
いまだによくいるのは、根性論を持ち込む人だろう。 現状を認識せず、根性と気合を「バカの一つ覚え」のように繰り返すのが特徴だ。 〈食品会社で営業部長を務める50代の男性は、「営業で大切なのは気合と根性」と日々力説し、何軒訪問したか、何人に電話したかを毎日報告させ、少ないと「気合が足らん」と激高する。しかも、自分が若い頃気合と根性で営業成績をあげた話を何度も繰り返す。残業を暗に強要し、定時に退社した社員がいると翌日デスクを廊下に出したこともある。〉(『職場を腐らせる人たち』より) また、「職場を腐らせる人たち」は必ずしも上司や管理職に限らない。若者にもそうした人は存在する。 〈最近どこの職場でも増えているのが、上司や先輩から言われたことしかしない若手社員である。典型的な指示待ちタイプで、指示されなければ何もせず、ぼうっとしている。先輩や同僚が忙しそうにしていても、手伝わない。上司から「少し手伝ったらどうか」と諭されても、「自分の仕事はちゃんとやっています」「指示がなかったので、僕の仕事だと思いませんでした」などと答え、定時で帰る。〉(『職場を腐らせる人たち』より) 「職場を腐らせる人たち」が本当の意味でやっかいなのは、「変えるのが至難の業」だからである。 新刊『職場を腐らせる人たち』の中では、「たいてい自己保身がからんでいる」「根底に喪失不安が潜んでいる」「合理的思考ではなく感情に突き動かされている」「自分が悪いとは思わない」といった理由が説明される。 つづく「どの会社にもいる「他人を見下し、自己保身に走る」職場を腐らせる人たちの正体」では、「最も多い悩みは職場の人間関係に関するもので、だいたい職場を腐らせる人がらみ」「職場を腐らせる人が一人でもいると、腐ったミカンと同様に職場全体に腐敗が広がっていく」という著者が問題をシャープに語る。
現代新書編集部