コニカミノルタが富士フと提携協議でも残る火種、ついに事務機改革に着手、過去最大の人員削減も
■残る火種は「非重点事業の後始末」 コニカミノルタはアンブリー社、インビクロ社を買収した後、2社を傘下に置く子会社のアメリカ株式市場への上場を目指していた。成長投資に必要な資金を市場調達する算段だったが、今年3月にインビクロ社を現地企業に173億円で事業譲渡すると発表。インビクロ社の買収価格は約320億円だったため、買収効果どころか損失を計上する結果となった。 インビクロ社の売却が決まり、上場による資金調達も見込めなくなった以上、買収に800億円超を投じたアンブリー社も手離れすると予想される。期待の新事業から一転、巨額の損失を出して撤退候補となったプレシジョンメディシンの“後始末”が残されている。
今回の2400人規模の削減は、4期連続赤字という異常事態に至って迫られた改革だ。主力の事務機事業の改革では他社に後れを取り、期待の新事業も軌道に乗せられなかったコニカミノルタ。「過去の反省と学びを、今後の経営に最大限に生かす覚悟」(大幸社長)。負の遺産とどう向き合い、どう立て直すのか。正念場は続く。
吉野 月華 :東洋経済 記者