次世代戦闘機の「超スゴイお供」大型無人機ついに公開 肝心の戦闘機どうすんの? 透ける独仏の苦しい思惑
独仏「ガマン比べ」の様相に
このためドイツ政府は2023年に、一度は採用を内定したアメリカ製のEA-18G「グラウラー」電子攻撃機の採用を取りやめ、ユーロファイターの電子戦機型「ユーロファイターEK」をエアバスに開発させることを決めています。 さらにドイツのオラフ・ショルツ首相は6月5日、ロシアの脅威の高まりなどを理由に、ユーロファイター20機の追加発注の意向を示しており、ドイツの需要だけでもウイングマンとFCASの量産開始まで持ちこたえたいという強い意志を示しています。 FCASの開発計画の遅れにはフランスも頭を痛めています。フランスは同国航空軍が運用していた「ラファール」戦闘機の中古機をギリシャとクロアチアに輸出していますが、同軍は今後、最新仕様のラファール、つまりFCASの量産開始まで、国防面でも産業面でもつなきとなる戦闘機を受領する予定となっています。 フランスのエマニュエル・マクロン大統領は6月7日、ウクライナに対してダッソー「ミラージュ2000」戦闘機を供与する方針を明らかにしていますが、これもウクライナにミラージュ2000の後継機としてラファールを輸出し、将来的にはFCAS計画にウクライナを引き込みたいという、フランスの思惑が見て取れるように思えます。
竹内 修(軍事ジャーナリスト)