大型SUVの概念をひっくり返す! ベントレー・ベンテイガ UK中古車ガイド 維持費を背負う価値アリ
世界で最も秀抜な完成度のW12エンジン
英国の名門、ベントレーが大型SUVを発表してから、間もなく10年が過ぎる。実際に販売がスタートしたのは2016年からだが、そんな初期型の中古車は5万ポンド(約1000万円)前後で狙えるようになった。 【写真】大型SUVの概念をひっくり返す ベントレー・ベンテイガ 英国の高級SUVと写真で比較 (145枚) もちろん整備費用はかかるし、税金も高額ではある。最高出力608psを発揮する、6.0L W型12気筒エンジンを搭載したベンテイガの燃費は、6.5km/Lくらい。英国では、年間700ポンド(約14万円)の道路税も徴収される。 それでも当時のAUTOCARは「W12エンジンは世界で最も完成度の優れた」ユニットとして称賛した。1度味わいたいと考えても、不思議ではない。車重2.4tの巨体を、静止状態から100km/hまで4.0秒で加速させる力持ちだ。 アダプティブ・エアサスにアクティブ・アンチロールなどが標準装備で、多彩なドライブモードが実装され、高速域でも安定しきり。限界領域へ迫ると、落ち着きが若干薄れるようだが。 2017年に、4.0L V8ディーゼルターボが登場。これもAUTOCARの評価は高かった。アウディ由来のユニットで、最高出力は435ps。W12エンジンと同等のトルクを低い回転数で発揮し、中間加速はより鋭い。 車重はW12版より重いが、サスペンションは専用設定で乗り心地も上質。燃費は12.4km/Lと、車格を考えれば優秀だし、3.5t以下のトレーラーも牽引できる。 V8ディーゼルターボの新車価格は、W12版より約2万5000ポンド安かったが、販売数は多くなかった。しかし、中古車となった今では経済性が評価され、同等の金額で流通している。
大型SUVの概念を覆したベントレー
4.0L V8ガソリンツインターボは、2018年に登場。550psを発揮し、0-100km/h加速を4.5秒でこなした。気筒休止機能が備わり、燃費は8.8km/Lとまずまず。 こちらも、W12エンジンより3万ポンドほど安く、AUTOCARはそれに代わる実力があると評価した。スポーティなV8 Sは珍しいが、探す価値はあるだろう。2019年には、総合449psを発揮する、3.0L V6ガソリンのプラグイン・ハイブリッドが登場した。 W12エンジンの高性能版、635psのスピードも同年に追加。「史上最速の量産SUV」の称号が与えられた。現行型へ通じるフェイスリフトは、2020年に実施されている。 ベントレーだから多様な仕様が用意され、4シーターから7シーターまで指定できた。荷室容量は5シーターなら484L、7シーターなら215Lとなる。乗り心地はすこぶる快適。ロングホイールベース版なら、車内空間に一層のゆとりが生まれる。 最初期の608台は、豪華なW12ファースト・エディション仕様に限定された。W12マリナーは2017年に設定されている。オプションは極めて多彩だから、中古車選びでは慎重に確認したい。 アダプティブ・クルーズコントロールとナイトビジョン機能が付くツーリング・パッケージや、スキッドプレートとサラウンドビュー機能が付くオールテレイン・パッケージは人気。運転支援が強化される、シティ・パッケージも用意された。 大型SUVの概念を覆したといえる、ベンテイガ。相応の維持費は必要だが、それを背負う価値を実感できるモデルだ。