日本S巨人の巻き返しは可能か…20年前に長嶋巨人は成功
第二次原政権で、1軍戦略コーチを務めたことのある評論家の橋上秀樹氏は、「正直、打ち崩すイメージ、抑え込むイメージのどちらも持てません。しかし昨年のシリーズから6連敗です。悲壮感を持たず、ひとつ勝てばいい、くらいの開き直りの気持ちでいくしかないのではないでしょうか」と提言した。 「ムーアはセ・リーグに少ないタイプです。工藤監督は、どんどん早めの継投策を繰り出すでしょうし、巨人打線が大量得点を取ることは想像し辛い。この2試合は、逆に序盤に失点して主導権を握られました。ならばサンチェス、畠の先発が、最低、3点以内に抑えて踏ん張るしかない。僅差のプレッシャーのかかる展開で、9回に森を引きずり出せば、そこから流れを変える可能性があるかもしれません」 ソフトバンクは第3戦がムーア、第4戦が和田毅、第5戦は、バンデンハークか、笠谷俊介を先発に立てると予想されている。千賀は万全を期して第6戦に待機だ。 一方の巨人は、サンチェス、畠世周の順。第5戦は、第1戦を87球で降ろした菅野を中4日で緊急登板させるものと考えられる。巨人にしてみれば、仕切り直しの第3、4戦でシリーズ初勝利を奪い、もう一度、菅野を出せる展開に持っていきたい。そこで菅野がソフトバンク打線を封じこめれば、2勝3敗で、“一応”の本拠地である京セラドームでの決戦に持ち込むことができる。 橋上氏は、ソフトバンク唯一のアキレス腱がストッパーの森唯斗だと指摘する。 「森はコントロールにムラがあって投げてみないとわからないという不安があります。中継ぎ陣は、悪ければ次から次へといい投手に代えていくでしょうが、ストッパーに関しては動かさない。だから、そこにワンチャンスがあります。森はストレートで抑え込むというよりカッターが特徴。出てくる投手、出てくる投手が150キロを超えてきて、そのストレートの球威を前に打ち返すことにさえ苦しむ巨人打線も、森のボールなら対応可能です。その森をプレッシャーがかかる僅差の展開で引きずり出すことができれば面白いのです」 第1戦も森は5点差の余裕があったにもかかわらず9回に一死満塁のピンチを招き、ウィーラーに犠飛を許した。 では、その森にプレッシャーをかける展開をどう作るのか。