日インドネシア、護衛艦「輸出」への議論再開で合意…防衛相会談
【ジャカルタ=栗山紘尚、作田総輝】中谷防衛相は7日、インドネシアの首都ジャカルタで、シャフリ・シャムスディン国防相と会談し、海洋安全保障に関する防衛当局間の協議枠組みを創設し、護衛艦の事実上の輸出に向けた議論を再開することで合意した。
強引な現状変更を試みる中国をけん制するため、新興・途上国「グローバル・サウス」の大国であるインドネシアとの安保関係を強化したい考えだ。
会談は約1時間30分行われ、中谷氏は冒頭、「(インドネシアが)海軍の近代化を進め、海洋抑止力を高めることは地域全体の平和と安定、繁栄に寄与する」と強調した。シャフリ氏は「安全保障に関する戦略的協力の強化などについて話し合いたい」と述べた。
インドネシアは、南シナ海で中国の海洋進出を警戒し、海上自衛隊の護衛艦などの導入に高い関心を示してきた。日本は防衛装備移転3原則の運用指針で、護衛艦をそのまま輸出できないことから、共同開発の形で移転することを目指してきたが、ジョコ前政権下では協議が進まなかった。
中谷氏は会談後、インドネシアへの防衛装備品の移転について、「具体的な協力の可能性について議論していくことになる」と記者団に説明した。
会談で、両氏は自衛隊とインドネシア軍の連携強化や、若手人材の交流活発化などでも一致した。中谷氏は中国や北朝鮮を念頭に、日本周辺での軍事活動の状況について「重大な懸念」を表明した。