「裏金に審判下った」「未来につながる議論を」…衆院選で歴史的大敗、自民党に保守王国鹿児島からも厳しい声や注文相次ぐ
衆院選の結果が判明した28日、鹿児島県内の有権者からは「裏金問題は許されない」「県民の審判が下った」と自民党への厳しい意見が相次いだ。物価高対策や地域振興のほか、若者からは「希望が持てる話を議論して」と注文がついた。 【写真】落選確実の報を受け、支援者らに頭を下げる小里泰弘さん=27日午後8時22分、薩摩川内市平佐1丁目
曽於市財部で鮮魚店経営者(71)は「裏金問題は許されず、自民党が大敗したのは当然の結果。有権者は正しい審判を下した」と評価する。「地方創生を何度聞かされてきたことか。地方は人口が減り疲弊する一方。今度こそ地域活性化に本気で取り組んでほしい」と訴えた。 鹿児島市上之園町の看護師(53)も今回の結果を「政治とカネ問題に県民が審判を下した結果」とし、「政治家は資金の流れを公開すべきだ」と強調。「真面目に働く人が損をする社会であってはいけない」と教育格差の解消などを求めた。 さつま町の茶農家(41)の関心事は物価高対策だ。肥料や重油などの経費が2割以上も値上がりし経営を圧迫する。「生産規模にかかわらず、農家がそれぞれ生き残れる持続的な支援が必要」と述べ、需要を拡大する事業の展開を国に要望した。 奄美群島出身の国会議員は前回の衆院選から不在。喜界島でエコツアーガイドも行う会社員(65)=喜界町湾=は南西諸島で進む防衛力強化に「きな臭く感じる」と不安を隠さない。「県本土だけでなく、群島もしっかり見つめてほしい」と要望する。
鹿児島市郡山町の鹿児島大学1年生(19)は選挙区で落ちた人が比例で復活する制度に納得がいかない。「国会議員には、未来につながる議論をしてほしいが、口だけで終わるのではないか」と疑念を持つ。
南日本新聞 | 鹿児島