パナソニックが「3冠」、女子はJTがV 大阪勢が黒鷲旗バレー制す
「このメンバーでできるのは最後だから最後まで戦い抜く」
黒鷲旗を前に、キャプテンの奥村麻依をはじめ、寺井有美、金杉由香、木村千春が今季限りで退団することが発表された。 「このメンバーでできるのは最後だから最後まで戦い抜く」 その思いがチームを一つにした。負けない粘りを生んだ。苦しい展開も数々あったが、「気持ちが下がってはいけない。やるべきことをしっかりやろう」と副キャプテンの小幡真子は声をかけた。 準決勝の岡山シーガルズ戦は0-2からの大逆転。第5セットは1点を取りあう大接戦となったが、最後は23-21で勝ちきった。その試合では、「勝って有終の美を飾りたい」と話していた金杉が「みんながつないでくれたボールなので絶対決める」と32得点を挙げた。「乗ったら止められない。なんとかしてくれる存在」と田中美咲。
決勝で躍動した若い力
決勝では若い力が躍動した。21歳の橘井友香、春高バレーで金蘭会を優勝に導いた新人18歳の林琴奈もそれぞれ53.3%、48%のアタック決定率を挙げるなど活躍。リーグのファイナルで先発出場しながら「何もできなかった」という林が、その悔しさを晴らした。 終始、久光製薬を苦しめたサーブでは22歳の小川杏奈が4得点、ブロックでも20歳の橋本梨紗が4得点。うち3本は、同い年のライバル加藤光のアタックをシャット。 「(九州文化学園高校のときに)九州大会でよくあたっていたけど、ずっと東龍(東九州龍谷高等学校)に勝てなくて……。その後、JTと久光製薬に進んで、決勝のスタメンがヒカリ(東龍出身の加藤)と分かって、止めてやると思いました」 開幕2日前に左足首を捻挫したが、「ミドル2人(奥村、芥川)が全日本。チャンスだから出たい。チームに貢献したい。楽しんでやろう」と思ったという。 「試合に出るチャンスがなかった若手がファンのみなさんの前でいいプレーを見せられてよかった」と吉原監督も目を細めた。 吉原監督が就任して3シーズン目が終了。1シーズン目はV・プレミアリーグ復帰を果たし、黒鷲旗で初タイトル。2シーズン目はV・プレミアリーグ2016/17で4位、そして3シーズン目の今季はV・プレミアリーグ2017/18で準優勝、黒鷲旗で優勝した。着実に階段を上っている。 「これからも精進していいチームを作っていきたい」。吉原監督は目を輝かせた。