【最終回】老後対策資金はこうつくる!~実践編~
前回では、投資信託を活用した長期的な資産形成の仕方について、お話しをしました。 今回は、もう少し踏み込んで、具体的な戦略について考えてみましょう。
口座開設がまだなら、NISAがおすすめ
まず、投資信託をどこで購入し、積立をするか、という問題があります。現在まだ投資信託を購入できる口座を持っていない人は、少額投資非課税制度(NISA)の口座をこの機会につくるのがおすすめです。 NISAとは、毎年100万円までの元金(2016年からは120万円)で運用し、得られた利益(配当、売却益など)に関する税金を免除するという制度です。この120万円という枠は、5年間毎年利用できます。例えば現在このNISA口座を持っていない人が、16年新たに開設すると、120万円/年×5年分、つまり600万円までの原資を非課税で運用することができるということです。 この口座は、銀行や証券会社などで開設することができますが、商品の選択肢の広さや手数料を考慮すると、ネット証券会社がおすすめです。銀行のほうがなじみがあるかもしれませんが、銀行では株式を購入することができませんので、株式投資をするためにNISA口座を開設したいという人は、当然証券会社で開設することになります。 また16年からは、ジュニアNISAといって、未成年者(0~19歳)でもNISA口座を開設し、利用できるようになります(上限額は80万円/年、18歳まで払い出し制限あり)。教育費の準備手段として期待されていますが、もちろん単純に資産形成のために利用してもオッケーです。 NISAは毎月コツコツ老後資金を準備したいという人には、うってつけの制度です。最初のうちは、非課税の対象となる上限額をフルに利用することは難しいと思いますが(来年を例に取れば、毎月10万円積み立てないと、枠の上限に達しませんから)、まずは無理のない範囲で、継続できる金額からスタートすることが大切です。