比嘉大吾が3カ月で引退撤回…世界挑戦オファーを受けた理由とは
プロボクシング元WBC世界フライ級王者の比嘉大吾(29=志成)が、3カ月で引退を撤回して再起戦でいきなり2階級制覇に再挑戦する。2月24日、東京・有明アリーナでWBA世界バンタム級王者の堤聖也(29=角海老宝石)に挑戦することが27日、都内で発表された。2人は20年10月に対戦して引き分けており、世界戦で決着をつける。 【写真】フォトセッションに臨む堤聖也と比嘉大吾 比嘉は9月3日にWBO世界同級王者の武居由樹(大橋)に判定で敗れて、2階級制覇に失敗した。ダウンを奪う惜敗だったが、試合後の会見でふっきれたように引退を示唆していた。その後、地元沖縄に戻って関係者に現役引退を報告。第2の人生を模索していたが、11月に堤への挑戦オファーが届いた。 「1週間考えさせて下さいと言いました。(オファーを受けた理由は)世界タイトルマッチだったので。お金じゃないです。何もやっていなかった時も楽しかったけど、やっぱりボクシングをやっている方が楽しくて」。引退を撤回して12月からロードワークとジムワークを再開したという。 同じ95年生まれの堤とはアマチュア時代からの親しい友人で、10月に堤が世界王座を奪取した後に一緒に食事をして、引退することも告げていたという。その1カ月後に世界王座をかけて対戦するとは想像もしていなかった。「びっくりしました。でも知り合いが試合するのはアマチュアでは当たり前ですから」と比嘉。 10月に堤が井上拓真(大橋)に判定勝ちして世界王座を奪取した試合は「井上が勝つと予想していた」。下馬評を覆した堤の戦いぶりに「手数も多いし、気持ちも強い。オレにないメンタルがある。それを上回らないといけない」(比嘉)。その王者に勝つために、12月からは人が変わったように練習に没頭しているという。 「この1カ月は毎日筋肉苦痛です。怠け者から真面目者に変わりました。相手は攻撃型。自分も攻めるスタイルなので盛り上がるんじゃないですか」。突然舞い降りてきた最後のチャンス。比嘉は攻めてベルトを奪う決意だ。【首藤正徳】