NEC、自社データセンターで水冷対応サーバーの受け入れを開始
NECは11月12日、神奈川(神奈川県)、神戸(兵庫県)、印西(千葉県)にある同社データセンターで、高性能コンピューティング(HPC)環境向けの水冷対応サーバーの受け入れを開始した。 近年、多くの企業がAIを搭載したソリューションや大量のデータ処理に関心を寄せており、高性能サーバーの需要が高まっている。各サーバーメーカーや半導体サプライヤーは、より高性能なGPU/HPCサーバーの開発に注力しており、その結果、稼働時の発熱量が大幅に増加している。このため、従来の空冷方式に比べ、より効率的な冷却が可能な水冷方式、特に直接液冷方式(Direct Liquid Cooling)の普及が進んでいる。 NECは、GPU/HPCサーバーの高性能化・高集積化が今後も進行すると見込み、これらのサーバーを安定運用するために直接液冷方式への対応を開始する。直接液冷方式では、サーバー内のチップ上のプレートに直接冷水を送り、チップを冷却する。データセンターの既存の熱源システムから冷却水循環装置(CDU)へ冷水が送られ、CDUで冷やされた冷水がサーバーへ送られる。 NECでは、CDUやサーバーへの送水部分を顧客ごとに設計して提供する。これは、直接液冷方式サーバーへの送水条件がメーカーごとに異なるため、全ての条件に対応した環境をあらかじめ準備することが難しいため。また、既存熱源設備の活用や導入の事前検証を行うことでリードタイムを短縮するという。 水冷方式に対応することで、マシン室やサーバー内のファン動力が、現在の空冷方式より抑制され、データセンターの消費電力の低減にもつながるとしている。 データセンターは大容量の電力を消費するため、環境配慮から電力のグリーン化への取り組みも重要となっている。2024年5月に提供を開始したNEC神奈川データセンター二期棟とNEC神戸データセンター三期棟は100%再生可能エネルギーに対応しており、今後も効率化とグリーン化を進めていく。