経営破綻のサロンが続々…脱毛ビジネスの是非 被害者と医師に聞く“脱毛”を取り巻く現状
薄着の季節を前に関心が高まる脱毛ケア。SNS広告には「通い放題」や「永久保証」といった安価や気軽さを売りにした脱毛サロンが目立ち、若年層の利用も多い。一方で経営破綻に陥る脱毛サロンも相次いでおり、施術が受けられなくなるばかりか、高額な契約金が返金されない、ローンを払い続けているといったトラブルも続出している。被害者の証言から浮かび上がる脱毛サロンの構造的な問題とは? トラブルに遭わないための脱毛の基礎知識を、被害者救済に取り組む共立美容外科大阪梅田院院長・實藤健作医師に聞いた。 【写真】“美ワキ”あらわな綾瀬はるか 大人の色気ダダ漏れ! ◆脱毛サロンの歪なビジネスモデル“通い放題”で経営破綻続々 医療クリニックで広がる被害者救済の動き 昨年、大手脱毛サロンの「銀座カラー」と「シースリー」が相次いで経営破綻し、合わせて約14万人の会員が高額な契約金を支払ったまま施術ができなくなる被害に見舞われた。近年、倒産に追い込まれる脱毛サロンは少なくない。この事態を重く見た医療脱毛クリニックでは、被害者救済の動きが広がっている。 全国主要都市に医院を展開する共立美容外科では、被害に遭った人を対象に通常価格から最大80%オフで医療脱毛を受けられる「脱毛トラブル応援プラン」を期間限定で提供。また、全ての人が安心して通えるように、コースだけでなく都度払いも選べる医療脱毛の新セットプラン12種類を3月11日より提供を開始した。 脱毛トラブル応援プランの利用者の1人である東京都・40代女性のKさんは「通い放題プランで35万円支払ったが、(サービス停止による)返金は受けられなかった」と言う。 近年は長期間の施術を前提として「通い放題」をうたう脱毛サロンが目立つ。共立美容外科の實藤健作医師は「エステ脱毛は医療脱毛と比べて脱毛効果が低く、時間が経てば必ず毛は生えてくる。“ムダ毛がない状態”をキープするためには繰り返し通わなければいけないため、“通い放題”というプランが編み出されたのではないか」と推測する。 しかし「通い放題」の利用者が増えれば予約は取りづらくなり、不満が口コミで広がれば新規顧客も獲得できなくなる。それでも「通い放題」のため契約金以上は請求できず、“無料”で施術を続けなければならない──。前述のKさんも8年通い続けたが、「予約が取りづらかった」と言う。脱毛サロンの経営破綻が相次いでいるのは、そうした歪なビジネスモデルが背景にあるようだ。 さらに近年は、「医療脱毛ができるクリニックも増え、価格もかつてに比べ安価で施術できるようになりました」と共立美容外科の實藤医師はいう。