経営破綻のサロンが続々…脱毛ビジネスの是非 被害者と医師に聞く“脱毛”を取り巻く現状
◆施術途中で高額なコース勧誘…脱毛サロンの経営破綻により“通い放題=永久”も叶わず
共立美容外科の“救済プラン”の利用者である前述のKさんは、「エステ脱毛で永久脱毛できないことは理解していましたが、通い放題=“永久”に通えるなら良いと考えていました」と脱毛サロンの経営破綻により、それも叶わなかったというわけだ。 脱毛エステサロンの広告には「通い放題」のほかにも、「お試し施術」や「月額○円」といった安価や気軽さをアピールする文言が目立つ。しかし当然ながらそれだけでは経営は成り立たない。Kさんは「施術途中で高額なコースに勧誘されたことがある」と証言している。同様の事例は国民生活センターにも数多く寄せられており、「強引に契約を迫られてもきっぱりと断ること」とアドバイスしている。 広告はメリットが強調されがちだが、トラブルに遭わないためには広告だけを鵜呑みにせず十分に情報収集をすることが大切だ。安価をうたったSNS広告が増えたことから、近年は特に10代のトラブルが急増している。共立美容外科では未成年の場合、親の同意がないと施術は受けられない。本来そうしたことも未成年の場合、クリニックやサロンを選ぶ上での指標となる。年頃のお子さんをお持ちの家庭は、薄着の季節の前に家族と話し合っておくのも良いかもしれない。 (文/児玉澄子) 共立美容外科 大阪・梅田院院長 實藤健作(さねふじ けんさく)先生 2003年、長崎大学医学部医学科を卒業。同年、九州大学医学部消化器総合外科に入局後、九州大学付属病院に勤務。 2004年、国立病院機構別府医療センターに勤務。 2005年、西有田共立病院に勤務。 2006年、九州大学大学院に入学。 2009年、医学博士号を取得(甲号)。同年、九州大学大学院を早期卒業し、新中間病院に勤務。 2010年、大分赤十字病院に勤務。 2014年、宗像医師会病院に勤務。 2017年、広島赤十字原爆病院に勤務。 2018年、大分赤十字病院に勤務し、第一外科副部長就任。 2021年、某大手美容クリニックに入職。 2022年、共立美容外科に入職し、翌年に大阪・梅田院の院長就任。