《年末こそ注意》小遣いを減らす前にやるべきこと 固定電話の解約、いつまでも同じにしている保険商品の見直し
物価上昇に年末年始の出費が押し寄せ、「家計防衛」に気合が必要な12月。手早くできる「お小遣いゼロ」作戦も、実は逆効果どころか、家庭崩壊の危機を招く恐れも。マネーのプロが節約の落とし穴を解説する。 【グラフで丸わかり】毎月1万8000円の赤字を抱えるAさん、その理由をプロがジャッジ
小遣いゼロにしても意味がない
「節約=我慢」だと思っているのは、節約下手の貧乏人の典型例。年末年始の出費を抑えようと「小遣いゼロ」にするのは、いちばんやってはいけないことだと、マネーのプロは口を揃える。オールアバウト家計簿・家計管理ガイドの二宮清子さんが指摘する。 「“夫の小遣いをゼロにしたら会社のお金に手をつけてしまい離婚になった”という家庭もありました」 そうした最悪のケースはまれだとしても、「小遣いゼロ」が消費行動に悪影響を与えるのは間違いない。消費生活アドバイザーの丸山晴美さんが語る。 「いくら小遣いをゼロにしても、断れない飲み会やどうしても欲しいものがあるたびに“今回だけだから”と生活費からちょこちょこ使ったり、クレジットカード払いをすると、使った金額が見えにくい。“これくらいなら”が重なって、結局出費が増えることもある。出費がかさみがちな年末は、必要な金額を試算した上で小遣いを増やし、その範囲でしか使わないと決める方がいい。 また、家計を担う女性だと“自分の小遣いはゼロ”とし、食費からおやつを買ったり、友人とランチをする人もいます。これでは本末転倒です」(丸山さん・以下同)
小遣いを減らす前に固定費を減らす工夫を
「1年間頑張った自分へのごほうび」には注意が必要。 「ごほうびを買うなら、妥協して安いものを選ぶのはNG。“20万円のバッグが欲しいけれど、高いから5万円の似たようなバッグで我慢する”ようではムダ遣いです。本当に欲しいものがあるのに妥協しては満足できず、また別のバッグを買いたくなるだけ。また、歳末セールで“安いから”と割引につられて買うのはダメ。たんすの肥やしが増えるだけです」 そもそも、小遣いを無理に減らす前に、通信費や保険料などの「固定費」を減らす工夫が必要だ。 都内で義両親と同居しているAさんの月の手取りは20万円。住居費や水道光熱費がかからないにもかかわらず、毎月1万8000円の赤字を抱えていた。その理由の1つは、毎月4万2000円もの「生命保険料」だった。家計再生コンサルタントの横山光昭さんが言う。 「貯蓄性があるとしても、高すぎる保険料で“保険貧乏”になっては元も子もありません。いつまでも同じ保険商品のままではなく、子供の独立などライフステージに合わせて内容をしっかり見直して」 保険以上に見直す余地があるのが通信費。特にいま、固定電話は特殊詐欺の温床にもなりやすいので、すぐにでも解約していい。 「固定電話を解約するだけで、月2000円は節約できます。また、2026年3月末にもドコモの3G回線が終了するので、この機会に格安スマホに変えれば、通信費は月1000円ほどで済みます。“格安スマホは通信速度が遅いから”と大手キャリアから乗り換えないのは大損です」(丸山さん) ※女性セブン2024年11月28日号