FIA F2参戦4年目のフェルシュフォーが初ポール獲得。宮田莉朋は満足なアタックできず/第5戦予選レポート
5月24日、2024年FIA F2第5戦の公式予選がモナコのモンテカルロ市街地コースで行われ、全体最速タイムを記録したリチャード・フェルシュフォー(トライデント)が、25日に行われるフィーチャーレース(決勝レース2)のポールポジションを獲得した。 【写真】フル参戦4年目で初PPを獲得したリチャード・フェルシュフォー(トライデント) 宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)は、107パーセントタイムを越えることが叶わなかった。 通常30分間のセッションで決せられるFIA F2の予選だが、例年モンテカルロ大会では11台づつの組み分けを実施している。2024年はカーナンバーが偶数のドライバーがAグループ、奇数のドライバーがBグループへと組み分けされ、カーナンバー6の宮田はA組に出走。 セッションはそれぞれ16分間行われ、トップタイムをマークしたドライバーがフィーチャーレース(決勝レース2)のポールポジションを獲得する。そしてポールシッターと同じグループのドライバーが奇数グリッド、遅いグループのドライバーが偶数グリッドに続くかたちとなる。なお、スプリントレースはリバースグリッドで決せられるが、こちらはトップタイムが遅いグループの5番手がポールシッターとなる。 24日の日本時間22時10分(現地時間15時10分)より行われた予選Aグループは、気温20度、路面温度36度というドライコンディションで幕を開けた。Aグループには宮田を含む11台が出走した。 セッション時間が16分と短いため、各車はセッション開始から5分というタイミングからアタック入り。前日に行われたフリー走行がウエットとなったこともあり、ドライ路面ではぶっつけ本番となるなか、まずはザク・オサリバン(ARTグランプリ/ウイリアムズ育成)が1分23秒118というタイムで暫定トップとなる。 さらにオサリバンはセカンドアタックでも1分22秒202を叩き出し、暫定首位の座を死守する。宮田はファーストアタックで1分27秒498と、この時点でトップにつけていたオサリバンから4.3秒差の暫定11番手となった。 ここからさらにタイムを上げようかという状況だったがその直後、宮田の6号車はスローダウン。そんな状況のなか、ターン9(トンネル)でイン側をスロー走行する宮田の後方に、高速走行中のアイザック・ハジャル(カンポス・レーシング/レッドブル育成)が接近する。 あわや追突かという状況にもなったが、ハジャルは間一髪で追突を回避。宮田はそのままピットに戻り、107パーセントタイムをクリアする前に予選を終えることとなった。 セッション後半、慣熟走行も終えた各車が本気のタイム出しに入ると、フェルシュフォーが1分21秒283をマークしトップに浮上。そのままチェッカーとなり、Aグループトップはフェルシュフォーとなった。 Aグループ2番手はハジャル、3番手にコラピント、4番手にアンドレア・キミ・アントネッリ(プレマ・レーシング/メルセデス育成)、5番手に前戦のポールシッターであるガブリエル・ボルトレート(インビクタ・レーシング/マクラーレン育成)が続いた。 続いて気温21度、路面温度36度というコンディションのなか、Bグループセッションがスタート。フリー走行で最速タイムをマークしたビクトール・マルタンス(ARTグランプリ/アルピーヌ育成)、ポイントリーダーのゼイン・マローニ(ロダン・モータースポーツ/ザウバー育成)ら11台がコース入り。 残り時間10分というところで、ラファエル・ヴィラゴメス(ファン・アメルスフォールト・レーシング)がターン1でアウト側のウォールにクラッシュ。コース上にマシンを止めたことで、予選は残り時間9分52秒というタイミングで赤旗中断となった。 セッション再開を迎えると、マルタンスが1分22秒690をマークしてトップに浮上。しかし、残り5分を切ったタイミングで、マローニが1分21秒941をマークし暫定首位におどり出る。ただ、その翌周にはタイムをロマン・スタネ(トライデント)が1分21秒466で上回る。 激しいタイムアタック合戦となるなか、最終アタックに臨んだマルタンスが1分21秒310をマークしトップの座を掴むと、そのままBグループをトップで終えた。しかし、Aグループトップのフェルシュフォーのタイムにはわずかに届かなかった。Bグループ2番手にポール・アーロン(ハイテック・パルスエイト)、3番手にスタネが続いた。 なお、終盤にはオリバー・ベアマン(プレマ・レーシング/フェラーリ育成)がターン1で、スタネがターン3でウォールにヒットしたことでイエローが振られたこともあり、複数のドライバーが最終アタックを止めることになった。 マルタンスがフェルシュフォーのタイムに届かなかったことで、Aグループで最速タイムをマークしたフェルシュフォーがFIA F2での初ポールポジション獲得となった。なお、リバースグリッドで決定される決勝レース1のポールはBグループ5番手のテイラー・バーナード(AIXレーシング)となる。 2024年FIA F2第5戦モンテカルロ、続いて30周のスプリントレースは、明日25日の日本時間21時15分より行われる。 ■2024年FIA F2第5戦モンテカルロ予選 Aグループ正式結果 Pos./No./Driver/Team/Time/Laps 1/22/R.フェルシュフォー/トライデント/1'21.283/11 2/20/I.ハジャル/カンポス・レーシング/1'21.440/11 3/12/F.コラピント/MPモータースポーツ/1'21.655/11 4/4/A.アントネッリ/プレマ・レーシング/1'21.669/11 5/10/G.ボルトレート/インビクタ・レーシング/1'21.670/10 6/14/E.フィッティパルディ/ファン・アメルスフォールト・レーシング/1'21.723/11 7/8/J.コレア/ダムス・ルーカスオイル/1’21.771/11 8/2/Z.オサリバン/ARTグランプリ/1'21.985/11 9/16/A.コルデール/ハイテック・パルスエイト/1'22.219/11 10/24/J.デュルクセン/AIXレーシング/1'22.387/11 -/6/宮田莉朋/ロダン・モータースポーツ/1'27.498/5 ・107パーセントタイム:1分26秒972 ■2024年FIA F2第5戦モンテカルロ予選 Bグループ正式結果 Pos./No./Driver/Team/Time/Laps 1/1/V.マルタンス/ARTグランプリ/1'21.310/12 2/17/P.アーロン/ハイテック・パルスエイト/1'21.347/12 3/23/R.スタネ/トライデント/1'21.466/10 4/11/D.ハウガー/MPモータースポーツ/1'21.659/11 5/25/T.バーナード/AIXレーシング/1'21.831/12 6/3/O.ベアマン/プレマ・レーシング/1'21.919/10 7/5/Z.マローニ/ロダン・モータースポーツ/1'21.941/9 8/9/K.マイニ/インビクタ・レーシング/1'21.988/11 9/7/J.クロフォード/ダムス・ルーカスオイル/1'22.030/11 10/21/J.マルティ/カンポス・レーシング/1’22.226/10 -/15/R.ヴィラゴメス/ファン・アメルスフォールト・レーシング/1'40.365/4 ・107パーセントタイム:1分27秒001 ■2024年FIA F2第5戦モンテカルロ スプリントレース正式グリッド Pos./No./Driver/Team 1/25/T.バーナード/AIXレーシング 2/10/G.ボルトレート/インビクタ・レーシング 3/11/D.ハウガー/MPモータースポーツ 4/4/A.アントネッリ/プレマ・レーシング 5/23/R.スタネ/トライデント 6/12/F.コラピント/MPモータースポーツ 7/17/P.アーロン/ハイテック・パルスエイト 8/20/I.ハジャル/カンポス・レーシング 9/1/V.マルタンス/ARTグランプリ 10/22/R.フェルシュフォー/トライデント 11/14/E.フィッティパルディ/ファン・アメルスフォールト・レーシング 12/5/Z.マローニ/ロダン・モータースポーツ 13/2/Z.オサリバン/ARTグランプリ 14/16/A.コルデール/ハイテック・パルスエイト 15/3/O.ベアマン/プレマ・レーシング 16/8/J.コレア/ダムス・ルーカスオイル 17/7/J.クロフォード/ダムス・ルーカスオイル 18/24/J.デュルクセン/AIXレーシング 19/9/K.マイニ/インビクタ・レーシング 20/21/J.マルティ/カンポス・レーシング 21/15/R.ヴィラゴメス/ファン・アメルスフォールト・レーシング 22/6/宮田莉朋/ロダン・モータースポーツ ・ノート 6号車宮田、15号車ヴィラゴメス(107パーセント圏外):スターティンググリッド後方からのスタートを許可 ・ペナルティ 8号車コレア、3号車ベアマン、9号車マイニ:3グリッドペナルティ/他ドライバーの走行を妨げた [オートスポーツweb 2024年05月24日]