茨城空港 上海・西安2路線 12月再開 韓国・清州にも直行便
茨城県は25日、茨城空港(同県小美玉市)と中国を結ぶ国際線定期便の上海、西安2路線と、韓国・清州(チェジュン)を結ぶ連続チャーター便が、いずれも12月から運航されると発表した。上海便は約1年2カ月ぶり、西安便は4年10カ月ぶりの運航再開となる。茨城-清州路線は初めての運航で、韓国との直行便は約1年8カ月ぶり。 中国路線は同国の春秋航空が運航し、旅客機は約180席。再開当初の12月24、26、28日は上海と西安をそれぞれ出発し、茨城空港に到着した折り返し便が西安、上海行きに変わる特別ダイヤで1日2往復する。同31日以降は茨城-上海路線のみの運航となり、火、木、土曜に週3往復する。 清州便は韓国の格安航空会社(LCC)エアロKが運航し、同3日から来年3月4日までの3カ月間、火、木、土曜に週3往復する。旅客機は180席。韓国の旅行会社4社のほか、水戸市の旅行会社「タビットツアーズ」などが旅行商品の販売に向けて準備を進めている。個人向けの航空券も販売される予定だ。 大井川和彦知事は3~5日に韓国を訪問し、エアロKの幹部に直行便を直談判。中国に対しては、7月に県庁を訪れた呉江浩駐日大使を通じて春秋航空に働きかけ、12月の運航につなげた。 上海便はコロナ禍を経て昨年8月に運航が再開したが、約3カ月で再び運休となっていた。県は今回の運航を活用して上海経済圏との交流を活性化させ、高い技術と資金を持つ中国企業の茨城県進出を促す考え。 一方、茨城県を訪れる韓国人観光客は大半をゴルフ客が占め、県は茨城県での宿泊費や交通費を助成するキャンペーンを展開している。今後は直行便による利便性向上もPRし、誘客を加速させる。 県は3路線の運航を機に、両国に茨城県の魅力をアピール。中国は経済交流促進、韓国はゴルフを中心にインバウンド(訪日)拡大を重視し、それぞれ企業進出や観光需要の取り込みを狙う。 大井川知事は中国便に「今後、非常に大きな消費拡大が見込まれる」とインバウンド需要を期待。韓国便には「さらなる交流拡大を図り、定期便につなげたい」と述べた。
茨城新聞社