原爆死没者慰霊碑にノーベル平和賞受賞報告…核なき世界「ネバーギブアップ」
被団協の平和賞受賞が決まり、NGO「ピースボート」などが行う同行ツアーに参加することを決めた。2003年にひとり行脚でオスロを訪れた際に転倒して背骨を折り、車いす生活になって以来、21年ぶりの海外だった。「近い将来核戦争が起きるかもしれない国際情勢。少しでも歯止めになれば」と決断した。
証言会の終盤、橋爪さんは「希望」というタイトルの自作の詩を読み上げた。〈はるかな未来 私たちは知るでしょう 豊かな自然とやさしい生命を 痛みをわかち合い 共に生きるよろこびを〉。「こういう世界であってほしい。それが私の希望です」と締めくくると、拍手に包まれた。
ノルウェー人のシェティル・スコインさん(60)は「被爆者から初めて直接体験を聞き、心が揺さぶられた。核兵器廃絶をどう目指すのか、世界中で議論されるべき課題だ」と話した。
橋爪さんは13日に帰国後、疲れが出て寝込みがちだという。オスロにも同行した同居の長男、祐司さん(60)は「体を張って証言した母の思いが平和な世界につながってほしい」と話した。(広島総局 小松大騎)