日本人の知らない日本の魅力を知っている⁉ 海外の富裕層ツーリストは何を求めて日本に来るのか?
自然に囲まれ心を豊かに。影には富裕層ならではの“癒され願望”が!?
いわゆる富裕層のゲストは、実のところ今日本で何を求めているのか? 自身の経験と山田さんへの取材から浮かび上がってきたのは、ズバリ以下のポイントです。
【1】自然の中で癒されるアクティビティ 【2】味に加え地元との一体感がある飲食店 【3】異なる“レベル”で日本らしい宿選び 【4】人との触れ合いや、地元との一体感 【5】ニッチな分野の知識やオプション
まずは【1】の「自然を感じられるアクティビティ」について。お金持ちはクルマ移動が当たり前、公共交通機関なんて使わないというイメージがありますが、実は旅先では必ずしもそうとは限りません。むしろ東京や京都などの都市部では、あえて車を使わずに歩きたいというリクエストも多いくらい。 その理由はというと、子供の社会見学のために電車や地下鉄の切符を買うところから体験したい、といった“異文化学習”マインドのほか、パンデミックの影響も大。「コロナ後は全体的に自然を求める傾向が強くなっていて、軽めの山歩きやハイキングがトレンドです。東京近郊だと伊豆の達磨が密かに人気。トータルで3時間ほどというほどよい距離感に加え、山頂から富士山が綺麗に見える穴場なんです」(山田さん)
そもそも日頃からジムで汗を流すなど健康志向の彼ら。京都で伏見稲荷大社が絶大な人気を誇るのは、決して千本鳥居の“映え力”だけではなく、稲荷山を登りながら心地よい汗を描くことができるからでもあるのです。同じく京都ではパワースポットとして知られる鞍馬寺から貴船神社まで、約2.5キロの山道を歩くハイキングコースがあり、観光客もやや少なめとあって熱い視線が注がれています。
同様の理由から外せないのが屋外のミュージアム。東京からのアクセスがいい箱根や伊豆エリアはまさにうってつけのロケーションで、ご存知「箱根彫刻の森ミュージアム」のほか、現代美術作家・杉本博司が設計した「江之浦測候所」は、アート好きの富裕層にブレイク中です。