松本で災害時の医療的ケア訓練 当事者家族ら避難の課題確認
人工呼吸器を使用するなど医療的ケアが必要な人が、災害時に安心して避難できるように備える訓練が30日、長野県松本市新村の松本大学で行われた。県や市の職員、社会福祉協議会や在宅医療支援センターのスタッフらが参加し、避難所として想定した同大学体育館に、医療的ケアが必要な子供を迎え入れ、受け入れ体制の確認などをした。 松本市と県社協、県医療的ケア等支援センターが主催し、初めて実施した。市内に住む医療的ケアが必要な子供と家族の3組が参加して、避難所での医療的ケアについて訓練した。人工呼吸器を稼働させるには電源が必要となるため、災害時の停電に備えて県内の自動車会社3社が協力し、電気自動車などを持ち込んで電気を供給した。 訓練では、医療機器などを家族が持ち込むため一定のスペースが必要だったり、安定した電力の供給が求められたりすることが確認できた。長男(9)が人工呼吸器を付けているという市内の男性(40)は「呼吸器のバッテリーは10時間ほどで切れるので、安定した電源を避難所に備えてほしい」と求めた。市こども発達支援課の山﨑ひとみ課長は「訓練で出た課題について話し合い、配慮が必要な方に安心して避難してもらえる体制を構築したい」と話していた。
市民タイムス