ドイツで評価急上昇…佐野海舟「衝撃を受けた」 痛感した「絶望する差」と現在地【現地発コラム】
貪欲に成長と向き合う佐野「新しい自分を出せればいいなと」
佐野は、その言葉を現実のものとする。あの試合から1か月半。第14節でバイエルンと対戦したマインツは、見違えるようなパフォーマンスで対抗。2-1で勝利を挙げた。 「バイエルンが調子悪かったっていうのもあると思いますけど、でも隙を狙い続けていけたと思う。そういうところをコツコツやることが勝利につながったのかなと思います」 下馬評を考えると、前半戦5位というマインツの順位は予想外のもの。加入から5か月弱でチームの勝利に貢献するパフォーマンスを出せているのだから、上々の自己評価をしてもいいかもしれない。ただ佐野は貪欲に成長と向き合おうとしている。 「いや、まだまだ出せるものはあると思う。継続してやっていきたいし、新しい自分を出せればいいなと思っています」 [著者プロフィール] 中野吉之伴(なかの・きちのすけ)/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。
中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano