4年前には能登半島の謎の地殻変動をGPS予測が察知 南海トラフで『ひずむ日本列島』活断層が集中する地域に大地震の足音迫る
火山のない地域では考えられない数値 群発地震
西村准教授によると「3cm」という地盤の動きは火山周辺ではみられるが、能登半島のような火山のない地域では、通常では考えられない数値だという。こうした動きに合わせるかのように、珠洲市周辺では2021年1年間に群発地震が相次いでいる。震度1以上の有感地震がこれまでに80回近くも観測されているのだ。 (珠洲市の住人) 「かなり頻繁に起きていますよね。3日か4日、長いときは1か月くらいもっとあいているかな。結構こわいね、大きな地震が来ないといいなと思うんだけど」 地殻変動の原因などは分かっていないが、西村准教授らの研究グループはこうした動きをさらに詳細に探ろうと、地震の震源近くにある珠洲市の2か所に独自のGPSの機器を設置。大地震が起きないか、現在も注意深く調査を続けている。 (京都大学・防災研究所 西村卓也准教授) 「いま起こっている群発地震の震源域が大きく分けて4つに分かれているんですけれど、その中でも一番活動的な震源域がちょうど、この海岸線の東側の辺りにあって。ちょうどその間を周りを囲むように観測点を設置しています」
近畿地方は活断層が集中『直下型地震』への警戒が必要
そして、GPSのデータ解析でひずみがたまっているとされる近畿地方。能登半島と同様に警戒すべき場所なのだ。 阪神・淡路大震災を引き起こしたのは、兵庫県の淡路島から阪神間に伸びる「野島断層」という1本の活断層だった。近畿地方には「地震の巣」と呼ばれるほど活断層が集まっていて、地盤のひずみがいま、こうした活断層などを動かそうとしているのだ。 海側のプレートが陸側のプレートを引き込み、たまったひずみが解放されたときに発生する南海トラフ地震。発生が近づくいま、特に西日本は活断層などが動くことで起きる「直下型地震」への警戒が必要だという。 (京都大学・防災研究所 西村卓也准教授) 「近畿の地震というのは南海トラフ地震の前50年から、あと10年くらいに増えるという。そういう傾向がありますので。まさにこれからが活動期に入ってきている、そういう状況なんだろうと思います」