4年前には能登半島の謎の地殻変動をGPS予測が察知 南海トラフで『ひずむ日本列島』活断層が集中する地域に大地震の足音迫る
動きが顕著なのが南海トラフ沿い 四国とか紀伊半島、大きく動いている
私たちの住む日本列島は、「フィリピン海プレート」や「太平洋プレート」など4枚のプレートの上にあり、海側から常に押される力がかかり地盤にひずみがたまっている。そして、そのひずみに地盤が耐えきれなくなると地震を起こすのだ。 国はこうした地盤の動きを監視するために、全国約1300か所に「電子基準点」と呼ばれるGPSアンテナなどを装備した機器を設置した。 西村准教授はGPSの位置情報を利用することで地盤の動きをとらえ、地震発生の研究に役立てようとしているのだ。 (京都大学・防災研究所 西村卓也准教授) 「赤い矢印は、『各観測点の位置が1年あたりにどれだけ動いているのか』を示した図です。動きが顕著なのが南海トラフ沿い、太平洋側ですね。大きく北西方向に動いていて、それは南海トラフからくる海のプレートが北西方向に押している影響で、四国とか紀伊半島が大きく動いている」 こうしたデータを基に作られたのが『日本列島のひずみ分布図』で、GPSデータを解析すると近畿や九州がオレンジ色になっていて、よりひずみがたまっていることを示している。 (京都大学・防災研究所 西村卓也准教授) 「これは西日本、中部地方から九州にかけての地図にひずみのたまりやすさを書き表した図になっています。色が白、緑、黄色、オレンジ、赤にいくにしたがって、どんどんひずみのたまりやすさが速くたまる場所というのを表しています」
衝撃的なデータを発見したのは「能登半島」だった
そして2021年、西村准教授は研究を進める中で衝撃的なデータを得た。大地震につながるかもしれない変化だった。 (京都大学・防災研究所 西村卓也准教授) 「25年間のGPSのデータの中では、なかなか前例のないようなことが起こっているのではないかと思います」 前例のないデータがもたらされた場所、それは「能登半島」だった。能登半島最北端に位置する石川県珠洲市。このあたりの地盤が2020年12月ごろから3cmほど隆起する「謎の地殻変動」を察知したという。 (京都大学・防災研究所 西村卓也准教授 去年11月) 「国土地理院のGPSの観測点で、2020年の12月からこの観測点を中心に変動が観測されていまして。だいたい3cmくらい、2020年12月から2021年11月くらいまで隆起が観測されている場所です」