【インド】モディ政権、3期目入り 単独過半数を逃すも「強い政治指導力」は健在とみる【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフリサーチストラテジスト】
インドの1-3月期成長率は市場予想を上回る
●2024年1-3月期の実質GDP成長率は前年同期比+7.8%と前期から鈍化したものの、市場予想を上回りました。一方、生産面から推計された実質粗付加価値(GVA)成長率は同+6.3%と市場予想通りになり、実質GDP成長率を下回りました。インドのような新興国では、需要面のデータよりも生産面のデータが多く、実質GVAの方が精度が高いと言えそうです。実質GDP、実質GVAデータに弊社で季節調整を施し前期比年率を計算すると、いずれも2023年7-9月期を底に加速傾向にあり、2023/24年度最後の四半期である1-3月期も循環的な景気モメンタムは上向きであることがわかります。この点は2024/25年度へ成長のゲタを履くことになるため、同年度の成長率見通しは上方修正されやすくなります。
利下げ時期は2024年10-12月期の見込み
●上記のように、インドでは循環的な成長モメンタムは堅調ですが、消費者物価上昇率は2023年9月から2024年5月にかけてインフレ目標レンジ(4±2%)内に収まっています。今後も目標レンジ内に収まると想定できることから、インド準備銀行にとって、利下げに移行するための重要な条件は、米国が利下げ局面に入ることによって米ドル高が一服し、インドルピーの対米ドルレートが少なくとも安定することだと思われます。弊社では、米国の利下げ時期についてメインシナリオを2024年9月と予想しているため、準備銀行はこれを確認した上で、2024年10-12月期(10月または12月)に利下げを開始すると予想しています。 (2024年6月18日) 石井 康之 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフリサーチストラテジスト ※上記の見通しは当資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。今後、予告なく変更する場合があります。 ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【インド】モディ政権、3期目入り 単独過半数を逃すも「強い政治指導力」は健在とみる【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフリサーチストラテジスト】』を参照)。
石井 康之,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
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