環境性と居住性を重視する登山者のためのゆったりテント「ニーモ/タニ オズモ2P」|これからの山道具図鑑 Vol.1
ほかの山岳テントと比較してわかることは居住性のよさ!
同仕様で1人用のタニ・オズモ1Pのスペックは、 最小重量:1、120g サイズ:長さ202cm、横幅105cm、室内高103cm 前室75cm 長辺側の長さを少し削り、圧迫感を抑え、荷物を置くスペースを得るために横幅を広げている。実際に使用する際の重量は、約1。5キロ。軽さを優先するなら、こちらを選択する人が多いだろう。 比較のためにタニ・オズモ2Pのスペックも再度記すと、 最小重量:1、240g サイズ:長さ220cm、横幅130cm、室内高104cm 前室80cm。 ほかの国内ブランドで、タニ オズモ同様の山岳向け自立型軽量ダブルウォールテントの1Pモデルと2Pモデルのスペックは下記のとおりだ。 ■ライペン/SLソロ(1人用) 最小重量:900g、専用フットプリント:150g サイズ:長さ205cm×横幅90cm×室内高95cm 前室38cm。 ■ライペン/SLドーム(2人用) 最小重量:980g、専用フットプリント:200g サイズ:長さ210cm×横幅120cm×室内高95cm 前室38cm。 ■ヘリテイジ/ハイレヴォ(1人用) 最小重量:960g サイズ:長さ203cm×横幅93cm×室内高100cm 前室45cm。 ■ヘリテイジ/ハイレヴォ(2人用) 最小重量:1、100g サイズ:長さ203cm×横幅123cm×室内高115cm 前室45cm。 ■モンベル/ステラリッジ テント1 本体+レインフライ 最小重量:1、140g サイズ:長さ210cm×横幅90cm×室内高105cm 前室55cm(短辺側)。 ■モンベル/ステラリッジ テント2本体+レインフライ 最小重量:1、230g サイズ:長さ210cm×横幅130cm×室内高105cm 前室55cm(短辺側)。 今年発売予定で注目されている ■ゼインアーツ/ヤール1 最小重量:860g サイズ:長さ210cm×横幅90cm×室内高95cm 前室45cm。 ■ゼインアーツ/ヤール2 最小重量:950g サイズ:長さ210cm×横幅120cm×室内高100cm 前室45cm。 ほかブランドのテントのスペックと比較してわかるタニ・オズモの特長は、次の2点。 ①軽量さを目指した山岳テントのなかでは、軽いほう。上で挙げていない自立型、そして軽さを重視した半自立型も含めると6~7番手あたり。 ②室内空間は、圧倒的に広い。とくに横幅と前室のゆとりはほかにはないものだ。 そう、今回タニ・オズモを取り上げた理由は、まずは環境性だが、次に居住性のよさがある。 タニ オズモ2Pの横幅は130cm。1人使用では、寝ている脇にバックパックを置いても、狭さを感じないレベルだ。2人使用ではぴったりくらいだが、長辺が長いので荷物を足元に置ける。成人男性2人で使うにはやや狭いが、男女2人、大人と子どもでなら、許容範囲。 また1人使用時に室内で着替えをする際、窮屈さがないので疲労によって足や腹の筋肉がツる可能性も少なさそうだ。過去に何度も腹がツって悶絶している私にとって、このゆとりはありがたいもの。 スペックを挙げたなかでは、モンベル/ステラリッジテント2も同じ横幅だ。しかしタニ オズモは長辺側に出入口があり、ステラリッジは短辺側が出入口。出入りがしやすく、広さを感じるのは、長辺側が大きく開くタニ・オズモのほうだ。 天気がよければインナーテントのドアパネル、前室の入口部分を大きく開け放って山の開放感を味わうこともできる。 また前室の張出長は80cm。長辺側に出入口があるほかのテントと比べて、倍近い長さを誇る。この前室の広さに加えて、レインフライ下部が開け留めることができる仕様になっているので、雨の侵入、日差しを抑えながらも効果的な換気が行なえる。 なんでもない機能に思えるが、こうしたちょっとしたアイデアにより、日本の山での快適性をアップさせているのだ。