環境性と居住性を重視する登山者のためのゆったりテント「ニーモ/タニ オズモ2P」|これからの山道具図鑑 Vol.1
わずかに重くなっているのはリサイクル素材のため?
OSMOファブリックとなったタニ・オズモ2Pの重量は、最小重量1、240g。ほぼ同じ仕様で、15デニールの極薄素材をフライと本体に使用した前タニ2Pの最小重量は1、180g。わずかではあるが、新型のほうが重くなっている。 OSMOファブリックの厚さは公表されていないが、前タニ2P同様に極薄だ。テントの仕様に大きな差は見られないので、OSMOファブリックは前モデルの素材よりもわずかに厚みをもたせているのかもしれない。または一般的に強度や耐久性が劣るといわれているリサイクル素材のマイナス点を、コーティングを厚くしてクリアさせているのかもしれない。 前述のとおり、OSMOファブリックは前タニ2Pに使われた素材にはなかった、生地の伸びを抑える新たな機能を装備しているので、60gの増加は、そのためかもしれない。 わかることは、60gの重量増はあるが、100%リサイクル素材に変更しても、機能が損なわれてはいない点だ。むしろ、快適性をアップさせている。多くの環境配慮素材やアイテムは、地球にはやさしい反面で、機能的にはやや劣るものが多かったのに! OSMOファブリック、そしてタニ オズモ2Pは、環境性と機能性を高次元で融合させている点で次世代の素材であり、これからのテントの方向性を指し示すものになっている。
軽さよりも広さを求め山をじっくり味わうためのテント
さてタニ オズモ2Pのスペックは、 最小重量:1、240g サイズ:長さ220cm、横幅130cm、室内高104cm となっている。 付属する、スタッフサック、ガイライン、ペグ8本、リペアセットも含めた重量の実測値は、1、600gあった。極薄素材なので、フロアの破損を防ぐ別売りフットプリントを装備すると、198gが加わる。ペグも高所のテント場では付属する8本では足りないので、さらに増やす必要がある。となると実際に使用する際の重量は、1、800gを超えることになりそうだ。 これは、ちょっと重い。 付属ペグは、強度のありそうなY字型のペグ。使用時に軽さを求めるなら、より軽量なペグに変更することも考えたい。 フットプリントも専用である必要はないので、山行で必ず装備するエマージェンシーシートなど、ほかのシーンでも使えるアイテムと併用、流用する工夫をすることで、わずかではあるが軽量化は可能だ。