自民党新総裁に石破茂氏 解散総選挙はいつ? 争点は「政治とカネ問題」と「旧統一教会問題」か【政治ジャーナリスト・二木啓孝さん解説②】
史上最多・9人が立候補した自民党総裁選。決選投票を経て、新総裁には石破茂氏が選ばれました。 “5度目の正直”石破茂氏に決定 派閥の影響どこまで? 大波乱の自民党総裁選【政治ジャーナリスト・二木啓孝さん解説①】 石破新総裁はどのような政策を掲げ、日本はどう変わっていくのでしょうか。そして、気になる解散総選挙の日程は…。 政治ジャーナリストの二木啓孝(ふたつき・ひろたか)さんの解説です。
新総裁の政策は 「防災省」「地方創生」 ”穏健保守”思想
二木さん: 主な政策として「防災省」の創設や「最低賃金の引き上げ」、自衛権のあり方などを規定する「安全保障基本法」の制定などを掲げています。 また「大規模な地方創生策」として、東京一極集中を打開し、地方における企業の事業承継などを構築していきたいということです。 さらに「手当てより無償化へ」という子育て支援の見直しも掲げています。 石破氏は基本的には穏健な保守派です。「国力は国民が作る」というのが基本なわけです。 元々鳥取県の出身で地方創生担当大臣として取り組んでいた時に「地方創生は20年かかることがわかった」と話していました。 地方で産業を興して、都会から人を呼んで、子どもが生まれてその子が根付いて成人になって初めて地方創生ができる…20年は大臣を続けたいと言う考えでしたが、1期で外されてしまいました。 そういう意味では自分の関心のあることは腰を据えてやりたい人物だと思います。
外交経験ほぼなし… どうなる日米地位協定の見直し
石破氏は「選択的夫婦別姓」について、制度導入に賛成の考えを示していました。また、医療・子育て・介護の福祉予算を充実させる考えで、これらは財源を確保して実現させていくべきだと思います。 また防衛政策の見直しの話としては日米地位協定。どこに米軍基地を置いたり兵器を置くかについて、日本はタッチできません。 「これを話をできるようにするのが防衛の一歩だ」ということを言っていますが、石破氏には外交経験がないので、そこは懸念材料ではあります。
解散総選挙はいつ? 「国会論争を経てから解散」も ”ご祝儀相場”で踏み切るか
直近の焦点は、解散総選挙がいつになるかです。 石破新総裁になって支持率は、ご祝儀相場で一時的に上がります。少しでも支持率が上がっているうちに早期解散に踏み切るのではないでしょうか。 最短で考えられるのは、10月10日解散、10月27日投開票です。他党は候補を立てられず、対立が起きている維新も今それどころではありません。 本来であれば野党が選挙区を調整する前に、選挙に踏み切った方が自民党に有利に働きますが、石破新総裁は国会論戦を経てから解散すると討論会でも発言していたので、読めないところではあります。 ポイントは来週の月曜日に党四役と閣僚の人事が発表になったときです。幹事長と選対委員長によって、この日程は左右されますので。 現時点では10月末解散、11月中旬投開票だと予想しています。
衆院選の争点は「政治とカネ」と「旧統一教会」
争点として考えられるのは「政治とカネ問題」と「旧統一教会の問題」です。 二木さん: 石破氏としては「政治とカネの問題」について、もう1回精査するっていうところにギリギリまで行って引っ込めました。 候補者9人全員が、「統一会問題は済んだ話」としていたので再調査はしないと思います。 そうなると、野党は「政治とカネの問題」と「旧統一教会の問題」で突っ込んでくると思います。 自民党はどんな候補者を公認するのでしょうか。そして今後、国民が納得できる説明はあるのでしょうか。 (『newsおかえり』2024年9月27日放送分より)