鳥羽商船プラン、ベスト100に選出 全国高校生起業アイデア 三重
【鳥羽】全国の高校生や高専生らが起業のアイデアを競う「高校生ビジネスプラン・グランプリ」で、鳥羽商船高等専門学校(三重県鳥羽市)の3年生チーム「Comeナビ」が、優秀なプランに贈られる「ベスト100」に選ばれた。大型クルーズ船で訪れる外国人観光客向けに、飲食店や観光施設を案内するアプリの提供を提案。クルーズ船対応という地域課題を解決し、市の活性化に貢献する点が評価された。 日本政策金融公庫が主催し、12回目。今年は過去最多の536校から5151件のプランが寄せられた。県内からは10校が参加し、同校を含む2校がベスト100に選出された。 同チームは、情報機械システム工学科3年の山下温斗さん、塚本真己也さん、北仲悠人さんの3人。市に毎月2千人以上の外国人観光客を乗せた大型クルーズ船が入港するため、観光対応を行う行政職員の負担が大きく、誘導人員も不足しているという地域課題解決に向け、6月からプラン作成を始め、「大型客船来航時の乗客誘導・観光案内システム」を考案した。 多言語対応の2つのアプリを導入し、職員の負担軽減や人手不足解消につなげる。「観光客用アプリ」は観光客のニーズに沿った目的地の提示、予約、支払い、誘導をアプリ内で行う。「地域団体用アプリ」は観光客用アプリの予約管理機能により、予約された情報などを事業者に伝達する。 市内の事業者をターゲットに、店舗・広告を表示することでシステム利用料を得てビジネスとして運営していく。 今後はアプリの開発を進め、来年2月に名古屋大学(名古屋市)で開かれる東海地区発表会に参加し、ビジネスプランを発表する予定。 同校で17日、表彰式があり、同公庫伊勢支店の加藤卓支店長が、山下さんと塚本さんに表彰状とメダルを手渡した。 山下さんは「地域課題に取り組んでベスト100に選ばれたのでうれしい。実際にシステムを運用するにはやることが山ほどあるので突き詰めていきたい」、塚本さんは「このビジネスプランが鳥羽市で実現できたら、全国にも広げていきたい」と意気込んでいた。