熱狂の観客1459人 金沢ポートホームマッチ運営の秘密
史上最速の設営・撤去
負けて悔しい最終日も、すぐに撤収作業はある。 金沢ポートのホームマッチ運営は、チームスタッフはもちろん、多くのボランティアスタッフによって支えられている。 今回、リーグの設営関係者からも「史上最速じゃないか」と驚きの声が上がった。設営・撤収共に、およそ2時間30分から3時間ほどで作業が完了したからだ。 逆に言えば、どのチームもTリーグの会場設営は、体育館の養生、赤マット敷設やTリーグ本番台設置、客席増設など、多くの工数を現場で必要とする。 チームの持続可能性のためにも簡略化できる部分はないか、常に見直しが求められている。
ファンと新規層は両輪
もちろん、選手が活躍してチームが勝ち続けることが、最大の観戦価値だ。 ただ、チームが勝てなかった日にも、お客さんが「残念だったね、でもまた来るよ」と言って帰路についてもらうために。 「次も手伝います」と、ボランティアスタッフも気持ちよく参加できるチームであるために。 そうして作られた空間が、初めて来場したお客様にとっても、満足度の高いものであるために。 卓球興行は、身内のように支えてくれる卓球ファンと、新たに卓球に関心を持ってくれる新規層のどちらも欠いては持続できない。 もちろん、私たち金沢ポートも途上に過ぎず、さっそく次節の集客に四苦八苦している。 まだ金沢ポートが参入するずっと前、2018年10月に両国国技館で迎えたTリーグ男子開幕戦は、入場者5,624人だったという。 だから何だ。 多くの困難に見舞われたこの石川の地で、それでも卓球観戦に足を運んでくれた1,459人のお客さんの表情が、私たちの挑戦の意味と、卓球のこれからの可能性を教えてくれる。
槌谷昭人(金沢ポート取締役 兼 ラリーズ メディア事業本部長)