高校生のSNS利用、日本は模範的?
SNSにまつわる問題が起こるたびに、保護者や学校は高校生のSNS利用に不安を抱きます。しかし、日本の高校生は、日米中韓の4カ国の中でもかなり模範的だと分かる調査結果が出ました。 国立青少年教育振興機構は、SNSの利用状況とその影響や意識について、日本、米国、中国、韓国の高校生に調査を実施。2024年7月2日に「高校生のSNSの利用に関する調査報告書 -日本・米国・中国・韓国の比較」※として発表しました。4カ国ともSNSを「利用している」と回答した割合が9割以上だったそうです。ここでは、調査の中から筆者が気になったポイントを紹介します。 ※国立青少年教育振興機構「高校生の SNS の利用に関する調査報告書 -日本・米国・中国・韓国の比較-」 まず、SNSを開始した年齢について。日本の高校生は、「中学1~3年」と回答した割合が最も高かった(49.6%)のですが、4カ国で比較すると「高校生になってから」の割合が最も高く、SNSを利用し始めた時期が遅めでした。SNSのほとんどは利用可能年齢を13歳以上と定めているのですが、韓国は「小学4~6年」が最も高いという結果も出ています。 日本は1つのSNSで複数のアカウントを使い分けている人が、4カ国の中で最も高くなっています。親しい友人用や推し活専用というようにアカウントを分けることで、フォロワーに余計な情報を見せない気遣いをしているのでしょう。SNSの利用目的として、「推し活」を挙げている人が4カ国で最も多いことも影響しているかもしれません。また、「SNSを使って、投稿を誰でも閲覧可能な範囲に公開すること」の割合も4カ国で最も低く、公開範囲を絞ってプライバシーを守る意識も高いようです。日本の高校生は、SNSで知り合った人よりもリアルの友人の方が気持ちを伝えやすいと感じている人が多く、SNSとリアルが密着している様子が分かります。