高校生のSNS利用、日本は模範的?
日本の高校生は安心?
調査を見ていくと、SNSを利用していて「個人情報が漏えいされたこと」「架空請求をされたこと」「アカウントの乗っ取りをされたこと」が「ある」と回答した割合はいずれも9%未満で、米中韓に比べて最も低い結果が出ています。さらに、なりすましや乗っ取りなどの行為に対しても、いけないことだと認識しています。「SNS上では、自分の言いたいことを何でも言ってよいと思う」と回答した割合は4.9%で、米中韓より約13~25ポイントも低く出ています。 つまり、SNSを利用していて被害を受けた経験が少なく、自分も加害しないためのマナーやルールを身に付けていると考えられます。学校での情報モラル教育や家庭でのフィルタリングによる見守りが功を奏しているようです。 日本の高校生の現状に安心したいところですが、「SNSを通じて知り合った人と実際に会ったことが『ある』」と回答した人は43.3%おり、トラブルへの対処は「無視する」が73.7%と最も高い結果になっています。何かが起こったとしても、周囲が気付けない可能性もあります。引き続き大人が見守る必要があるでしょう。 出典:日経パソコン、2024年9月9日号より 鈴木 朋子=ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザー 日立ソリューションズにてシステムエンジニア業務に従事、のちフリーライターに。SNS、スマホ、パソコン、Webサービスなど、入門書の著作は20冊を越える。ITの知見と2人の娘の子育て経験を生かして、子どもの安全なIT活用をサポートする「スマホ安全アドバイザー」として活動中。近著は「親が知らない子どものスマホ」(日経BP)、「親子で学ぶ スマホとネットを安心に使う本」(技術評論社)