80歳になったら介護付き有料老人ホームへの入居を検討しています。60歳からやっておくべきことはありますか?
老後の過ごし方は人それぞれですが、老後資金にある程度余裕がある人であれば、介護付き有料老人ホームに入居するのも選択肢のひとつです。しかし、高額な資金が必要なため事前に準備しておく必要があります。 本記事では、80歳に入居する前提で60歳からの20年間で何をするべきかをまとめています。介護付き有料老人ホームへの入居を検討している人は参考にしてください。
介護付き有料老人ホームとは
介護付き有料老人ホームは、原則として要支援1~要介護5の人を対象とする施設です。認知症にも対応しており、みとりも可能です。費用や受け入れ条件は施設によって異なりますが、一般的にサービスが充実している分、高額な費用がかかります。 有料老人ホームには、介護付き・住宅型・健康型の3種類があります。住宅型は地域の訪問介護サービスを利用して継続入居が可能、健康型は要介護になると退去が必要です。
介護付き有料老人ホームの費用相場と20年で費用を準備する方法
介護付き有料老人ホームは費用がさまざまなので、自分で準備できる費用の範囲内で目的に合った施設を探すのもひとつの方法です。 施設によって違いがありますが、介護付き有料老人ホームの一般的な費用の相場と費用を準備する方法について解説します。 【介護付き有料老人ホームの費用相場】 介護付き有料老人ホームの費用は以下の2つに分けられます。 ◆入居一時金(入居金)……0~数千万円、場合によっては億単位の施設もある 入居時にまとまったお金を支払う費用で、原則として入居後の月額利用料の前払い金であり、退去時には返還される ◆月額利用料……10~40万円、一時金の金額や償却方法によって左右される ・施設介護サービス費、サービス加算……介護保険の対象となるサービス費用 ・居住費(賃料)……いわゆる家賃で広さや立地によって異なる ・食費……1ヶ月分の食費 ・上乗せ介護費……基準を超えて人員を配置している場合の費用 ・その他……日用品費、医療費など 【介護付き有料老人ホームの自己負担額】 介護付き有料老人ホームの費用の中で、月額費用の施設介護サービス費(サービス加算を含む)は介護保険の対象となるので、全額ではなく1~3割負担となります。要介護1の場合では16万7650円(限度額)、1万6765円(1割負担)です。 入居一時金を500万円、月額費用を25万円、利用期間を10年とした場合、介護付き有料老人ホームにかかる費用は以下の通りとなります。 500万円+25万円×12ヶ月×10年=3500万円 もちろん上記は一例です。特に一時金については自身の資産状況を考慮して変更し、これからの資産形成を考えましょう。 【80歳までの20年でやっておくべきこと】 60歳までの20年間で資産形成をする方法としては、以下が考えられます。 ◆受け取る年金額を増やす ・繰下げ受給……年金の受取年齢を65歳以降に繰り下げることで最大84%の増額が可能 ・なるべく長く勤務する……勤務先によっては70歳以降も厚生年金に加入できるが、月額年金額と賞与を含む年間賃金の1/12の合計が48万円を超えると老齢厚生年金の支給停止となるので注意が必要。 ・NISAやiDeCoなどの積み立て……NISAは投資利益が非課税の金融商品(18歳以上)、iDeCoは自身で拠出、運用をする個人型年金(65歳まで拠出可能) ◆資産の処分……不動産や債権などを現金化する ◆その他 ・生活費の見直し……家計を見直して毎月の支出を減らす ・保険の見直し……加入している保険を見直して保険料を安くする ・子どもの扶養家族になる……条件を満たせば子どもの健康保険上の扶養家族になり、社会保険料が免除される(75歳まで)
介護付き有料老人ホームは高額なので20年以上の長期計画で準備しよう
介護付き有料老人ホームは民間施設なので、公的な老人ホームと比べると費用は高額になります。しかし、サービスが充実していて自立から要介護、みとりまで可能というメリットがあります。 介護付き有料老人ホームを検討しているならば、高額な費用に備えて20年以上の資金計画を立てましょう。資金形成の方法はいろいろあるので自分にあったものを選んでください。 出典 厚生労働省 ①介護を受けながら暮らす高齢者向け住まいについて 厚生労働省 主な年齢の平均余命 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部