【レタスやキャベツなどの葉物野菜を意識する】食べ方で、認知症を回避する~リコード法・後篇②
認知症人口は、2025年には700万人になると言われている(厚労省「認知症高齢者の将来推計について」より、認知症施策 |厚生労働省 (mhlw.go.jp)。この連載では、認知症を回避するためにできることはあるのか、また、認知症対策として今、どのようなことが行われているのかなどについて、様々な現場に足を運びながら見ていく。なお、筆者の立場は、「離れて住む実家の母の認知症を防ぐこと」。よって、対策を見ていく際には、「どうすれば自分以外の人にその対策を行ってもらうことができるのか」も合わせて考えていきたい。
葉物野菜を意識する
前回から、アルツハイマー病の治療プログラム「リコード法」における食事のとり方を紹介している。 リコード法では「ケトフレックス12/3」という独特の食事法を取り入れているのだが、「ケト」はケトン体を、「フレックス」は緩やかな菜食主義を、「12/3」は時間を表している。前回はそのうちのケトン体について紹介した。 『生活習慣から改善を試みる、米国発の画期的なプログラムとは?~リコード法・前篇~』『意外な盲点?カビ毒&歯周病菌と認知症~リコード法・中篇~』 『アミロイドβをためない食べ方とは?~アルツハイマー病の治療プログラムリコード法・後篇(1)』 今回は、前回に引き続き、リコード法を治療に取り入れている新宿・ブレインケアクリニックの今野先生に教えていただきながら、「ケトフレックス12/3」の「フレックス」と「12/3」を見ていく。 まずは「フレックス」、つまり、野菜をとることの重要性についてから。 「野菜は、抗酸化作用や抗炎症作用を持つポリフェノールなどの栄養を含んでいます。そのため、アミロイドβを蓄積させる原因になる酸化や炎症を防ぐ働きをしてくれるという意味で、とても大事です。また、糖質が少ない一方で食物繊維が多いので、血糖値の上昇を抑え、ケトン体を増やす様態を作りやすくしてくれます」(今野先生、以下同) さらに、第12回で伺った「有害物質を除去する」ためにも、野菜の力は欠かせないという。 「リコード法では、野菜を毎日たっぷりととるために、野菜を中心にして献立を組み立てることを勧めています」 野菜の中でも、特に意識したいのが、レタスやキャベツ、小松菜などの葉物野菜だ。葉物野菜には、ビタミンB群の一種である葉酸が多く含まれているのだが、葉酸にはアミロイドβの蓄積を防ぐ側面があるそうなのだ。 「私たちの血液中には、アミノ酸が悪玉化したホモステインという物質があるのですが、ホモステインが増加するとともにアミロイドβの蓄積が促され、アルツハイマーのリスクが高まるとされています。そのホモステインの濃度を低くするのに役に立つのが、葉酸とビタミンB6、B12です。そのうち、ビタミンB6とB12は普通に食事をとっていれば不足することは、ほぼありませんので、不足しやすい葉酸を意識するのが大事です」 なお、「喫煙や飲酒によって、葉酸の吸収が妨げられることがある」という事実も知っておくといいだろう。