【レタスやキャベツなどの葉物野菜を意識する】食べ方で、認知症を回避する~リコード法・後篇②
長寿遺伝子を発動させる
続いては、『ケトフレックス12/3』の12と3について伺おう。 「この2つは、時間を表しています。12というのは、『夕食から朝食までに12時間は空けよう』ということで、3は『寝る3時間前までには夕食を終えよう』ということです。 まず、夕食から朝食までにどうして12時間空けるかというと、主な理由の一つが長寿遺伝子を働かせるためです。長寿遺伝子というのは、飢餓状態になると発動されると言われている遺伝子で、私たちの体に元々備わっています。長寿遺伝子が作動すると、肌や血管、内臓など様々な器官が若く保たれますし、動物実験では寿命も延びることが報告されています」 長寿遺伝子を簡単に目覚めさせる方法が、空腹時間を長く取り、血糖値を低く保つことだとか。 「リコード法では、少なくとも12時間の間隔を空けるようにしています。難しいように思うかもしれませんが、夕食を18時~19時に食べて、朝食を6時~7時にとるようにすれば、12時間空けるのは意外と簡単ではないでしょうか」 なお、朝食を抜くことで12時間を空けようとするのは、さまざまな意味で勧められないという。 「朝にとるたんぱく質が、夜の眠りを誘うメラトニンというホルモンを合成するのに役立つので、質のいい睡眠のためにも朝食はきちんととるのが大事です。また、メラトニンは強力な抗酸化作用を備えているので、脳の老化を防ぐ意味でも欠かせません」 さらに、朝食で砂糖を入れたコーヒーや卵焼き、甘い果物やハチミツなどを入れた糖質が多いフルーツジュースを飲む人は多いが、今野先生によれば、止めた方がいいそうだ。 「空腹状態で糖分をとると、血糖値が急上昇しやすくなります。血糖値の乱れは、認知症の原因疾患の一つである脳血管性認知症だけでなく、糖尿病を始めとしたさまざまな病気や疾患に繋がりやすいので、避けるようにしましょう」
深い眠りを妨げない
続いては、「12/3」の「3」、「寝る3時間前までに食事を終える」ことについて。 「食べたものが胃腸で消化されるのに通常は2~3時間かかりますので、3時間経たないうちに寝ると胃腸は動き続けていますから、身体が十分休めずに眠りが浅くなってしまいます。前回お話しした通り、アミロイドβをためないためには、深い睡眠を取るのが大事です。認知症を回避するためにも、寝る3時間前までには食事を終えるようにしましょう」 食べてから寝るまでに時間を空けるのは、胃酸が食道に上がってくる「逆流性食道炎」を防ぐためにも大事だという。 とはいえ、現代日本においては、好むと好まざるにかかわらず、帰宅時間が遅くなったり、夜型生活を送らざるを得なくなったりして、結果的に夕食時間が遅くなり、朝食をあまり食べられなくなる人も多いのではないだろうか。 「朝にあまり食べられない人は、昼にしっかり食べることと、ナッツを常備しておき、おやつとしてこまめに食べることの2つを意識してはどうでしょうか。そうすれば夕食はたくさん食べなくてもすみますので、胃腸への負担を抑え、睡眠や血糖値への影響を最小限にすることができます」 なるほど、トライする価値がありそうだ。