憎きトヨタを何とか「悪者」に仕立てたいのか…「認証不正問題」で国益を大きく損なわせている国土交通省の「罪」
意味のない校則を守らせるべきか?
「校則」の必要性は否定しない。むしろ重要だと思う。だが、髪型・髪の長さやスカートの丈などは、「人を殺してはいけない」というような規則とは違って、「絶対不可侵」というわけではない(この規則も戦争の時に「逆転」するが……)。 例えば、学校内の風紀が乱れず生徒が健全な生活をおくるという「目的」を果たせるのならば、どのような髪型・髪の長さ、スカート丈でも良いはずだ。 だが、自らの保身ばかりを考え生徒の健全な成長についてまるで考えない教師たちは、「明確な根拠無く」規則を定め、まるで「校内ゲシュタポ」のように、ルール違反を探し回る。「私は規則を守らせるように努力しました」という言い訳が、自らに向けられる批判に対する免罪符になるからだ。 生徒の健全な成長をはかるという「目的」のための「手段」であるはずの校則が目的そのものになってしまう。そして、手段が目的になるのと同時に、「校則を振りかざして教師が生徒を支配する」という誤った目的に導かれることにもなる。
国交省の“いじめ”
このような「意味のない校則」にも例えられそうな国土交通省の「認証」については、朝香豊「自動車『認証不正問題』の本質は国交省の“イジメ”ではないか…? 時代錯誤な『お役所仕事』が日本経済を停滞させる」に詳しい。 同記事から引用すれば、「例えばトヨタは、後部からの車をぶつけられた時に油漏れを起こすかどうかについて、車体重量1800キロの車をぶつけて実験を行い、問題ないことを検証していた。ところが国交省の求める実験では1100キロ(正確には1100キロ±20キロ以内)の車をぶつけて油漏れを起こすかどうかであり、1800キロの車をぶつけて実験をしながら、1100キロの車をぶつけて油漏れを起こさなかったと記したのは、虚偽記載に当たるというのである」ということだ。 例えば、スカート丈が短すぎて風紀を乱すことを防止する「目的」のために、スカート丈は膝上10センチという規則を定めたとする。ところが、ある生徒が膝下10センチのスカートで登校したところ「膝上10センチという規則」を守っていないとして廊下に立たされたようなものだ。 前記記事で紹介されている「エアバッグのタイマー起動問題」も、「より安全に対して厳格な条件で試験を行った」という点において本質的に同じケースである。 もちろん、スカート丈が短すぎて風紀を乱すことを防ぐ「目的」からすれば、スカート丈が長いことは全く問題が無い。 国土交通省の主張は、まさに「手段が目的になった」好例だと言えるであろう。