「市場の格差が拡大」 長嶋修が語る「2025年不動産市場の行方と提言」 注目は「セカンドベスト」の不動産
ここまで論じてきた「ベスト」や「セカンドベスト」というのは、あくまで資産価値を重視した場合に限られる。人によってライフスタイルやライフプランは異なり、趣味嗜好や夢、理想もまったく違う。 資産価値の維持・向上を目的に住まいを持つのであれば場所を選ぶ必要があるが、それだけが選択肢ではない。 資産価値の維持・向上に振り切るもよし、夢や理想に振り切るのもよし。理想を追求したうえで、できる限り資産価値が維持する見込みの住まいを選ぶことだってできる。
働き方や暮らし方、そして価値観が多様化する今、住まい選びにおいても万人に共通する正解などもはや存在しない。 2025年は、不動産市場だけでなく世界情勢や私たちの暮らしが大きく変わる過渡期になると見ている。 詳しくは2024年刊行の拙著『グレートリセット後の世界をどう生きるか 激変する金融、不動産市場 』(小学館新書)をご覧いただきたいが、今後は住まいも仕事も生き方も、より「本質」が重視されていくようになるはずだ。自分にとっての「ベスト」はなんなのか。住まい選びの際には、ぜひ考えてみていただきたい。
長嶋 修 :不動産コンサルタント(さくら事務所 会長)