<2024Next Breakerを探せ!>ポテンシャルは無限大 出でよ! 次世代の逸材たち【セ・リーグ先発編】
巨人・松井颯 決め球を磨き2年目の飛躍へ
育成からスタートとなった1年目の今季は5月に支配下登録を勝ち取ると、同21日の中日戦(東京ドーム)で育成新人では球団史上初のプロ初登板初勝利をマーク。一軍ではその1勝止まりに終わったものの、二軍戦では8勝を挙げてイースタン最多勝に輝いた。「一軍を経験できて、そこで自分のボールで勝負できると感じた」と確かな手応えをつかむと、シーズンが終わってからも秋のアピールを続けた。阿部慎之助監督の初実戦となった11月10日の侍ジャパンとの練習試合に先発すると、走者を許しながらも粘りの投球で3回を無失点。最速154キロのストレートで若き侍打線をねじ伏せ、指揮官の「初勝利」に貢献した。 中継ぎも経験したが、あくまで狙うは先発の座だ。「(来季の)目標はローテの定着。数字は10勝ぐらい、いきたい」と鼻息が荒い。そのために決め球として磨いているのがフォーク。生命線であるスライダーとシンカーの組み立てに「仕留められる、三振を取れるボールにしたい」と完全習得に余念がない。新たな武器を手に、2年目の飛躍を誓う。 PROFILE まつい・はやて●2000年9月14日生まれ。東京都出身。178cm83kg。右投右打。花咲徳栄高[甲]-明星大-巨人23育[1]、23途 ■最速=154キロ ■変化球=スライダー、シンカー、カーブ、フォーク ■2023年成績=8試合、1勝1敗0S2H、防御率3.26
ヤクルト・西舘昂汰 投げっぷりが光るタフネス
東都大学野球連盟から7人が1位指名された今秋のドラフト会議。その“東都7人衆”の中で、唯一、4年間を二部リーグで過ごしたのが西舘昂汰だ。しかし、能力の高さは6人にも負けていない。 最大の魅力は豊富なスタミナ。4年春のリーグ戦では7戦5完投で防御率1.01、同秋も9戦4完投(1試合はリリーフ)で防御率1.67を記録した。最速152キロの直球に多彩な変化球は試合終盤でも高い精度を誇り、制球力もブレない。今年1年は「投げっぷり」を意識し、球威はさらに力強さを増した。橿渕聡編成部スカウトグループデスクが「強さとコンビネーションの両方できる投手」と評価ポイントを挙げるように、プロの舞台でも総合力で打者と勝負をしていく。 求められる役割はもちろん先発。「(先発)ローテに入ってもらいたいですし、1年目ではないような投球をしてほしい」と高津臣吾監督も大きな期待を寄せる。 目下の目標に「開幕一軍」を掲げる右腕はこの冬、下半身を鍛え直す計画を立てている。先発完投型のタフネス右腕がV奪回を期すチームの救世主となる。 PROFILE にしだて・こうた●2001年6月9日生まれ。福岡県出身。188cm92kg。右投右打。筑陽学園高[甲]-専大-ヤクルト24[1] ■最速=152キロ ■変化球=スライダー、カーブ、スプリット、フォーク、シュート