トヨタの進化型「GRヤリス」をサーキットで徹底試乗!その技術は次世代GRカローラにも搭載されるのか?
■DATと6MTの違い DATモデルは6速MTモデルよりも20kg重いが、20kgはすべてフロントの軸重にかかる。よって、今回のような雨天で滑りやすい路面では前輪に荷重がかかりやすく、走りやすい場面もあった。さらにDATモデルではMTモデルとの操舵フィール上の差異が最小限になるようにEPSを含めたステア特性を作り込んだというだけあり、乗り換えた直後でも違和感を抱かなかった。 さて、GRでは進化を“鍛える”と称して、発売後もその手を緩めない。では、GRヤリスの兄貴分にあたるGRカローラの進化はどうなるのか、筆者の独断で予想してみたい。
真っ先に手が入るであろう部分は「4WDモードセレクト」の前後駆動トルク配分値だろう。現行のGRカローラは専用ボタンを押下するとトラックモード(前50:後50)、右にまわすとリヤモード(30:70)、左がフロントモード(60:40)だ。 この特性に手が加えられるはず。おそらく進化型GRヤリスと同じ、押下するとトラックモード(60:40~30:70まで各種パラメーターにより可変)、右がグラベルモード(53:47)で、左がノーマルモード(60:40)になるのではないかと予想する。
じつは進化型ヤリスのトラックモードは非常に優秀で、後日、雪上コースで試乗した際にその効果をハッキリと体感していた。ドライバーによる荷重移動が足りない場合でも、システムがそれを捉えてスムースな旋回軌跡が得られるように前後駆動力を変化させるからだ。 積極的に荷重移動ができる腕に覚えがあるドライバーであればグラベルモードがさらに楽しめるが、扱いやすさは圧倒的にトラックモードだ。よって、GRヤリスよりも車体サイズの大きなGRカローラでは、さらにその効果が得られるはずだ。
■DATの採用やエンジンの仕様変更は? 8速ATであるDATもGRカローラに移植されるか!? もともとGRヤリスのDATはモータースポーツの裾野を広げるために設定された経緯があり、その意味でもGRカローラを搭載第2弾とする可能性は高い。 一方、エンジン特性についてDATはGRヤリスと同じ出力/トルク特性になると思われるが、6速MTについては幅広い最大トルクを発揮する現状のままになると予想する。