楽して儲けられると思ったのに…不動産投資で人気の「ワンルームマンション/戸建て再生・古民家リノベ」に潜む落とし穴
戸建て再生投資は、購入後の管理に苦労する
不動産の価値とは、買って所有するだけで年金のような安定収入を生み出す資産になることです。しかも、管理不要で手間がかからず、忙しい会社員の方でも行えることがメリットといえます。 最近、築古物件の戸建てや古民家を購入し、おしゃれにリノベーションして人に貸し出すという通称「戸建て再生」「古民家リノベ」が流行しています。 私自身、茨城の物件を土地評価価値以下で、2室安値で購入し、利回り15%以上の家賃で貸し出すことに成功しましたが、やってみてわかったことは、一般の方には、非常に難しいということです。 戸建て再生・古民家リノベが難しい理由は、大きく分けると2つあります。1つ目の理由は、古民家を購入する場所の土地勘がないと、将来的に物件の価値が上がるかどうか判断できないことです。 古民家を購入して新しく再生したとしても、そのエリア自体に賃貸需要が少なければ、当然、空室リスクが存在します。当初予定していた利回りが得られず、家賃収入がまったく入らないという可能性も充分にあるのです。 2つ目の理由は、本当に良い物件は簡単に手に入らないということです。多くの場合、本当に良い物件はインターネットに上がる前に、業者が先に購入してしまっています。私の利回り15%以上の戸建ても、地元の業者さんに足しげく通い信頼関係を構築し、ネット公開前に落札しました。 購入する物件をノールックで落とす勢いがないと、落札が間に合わないことが多々あります。運よく購入できても、修繕費用に対する正しい知識や、必要箇所に絞ったリノベをしなければ、修繕を依頼した工務店さんから水増し請求されたり、過度な修繕を行ったり、支払いが多くなるリスクもあります。 ご自身で内装工事をすれば、人件費は無料にできるかもしれませんが、かなりの根気と時間が必要です。素人で古民家リノベに参入する場合、相当な努力が必要になると考えた方がいいでしょう。 このように、戸建て再生・古民家リノベで高い利回りを出すには、相当な努力が必要です。そもそも、ローンが引けない物件が多く、現金が必要ですし、週5日勤務で平日に多くの時間が取れない会社員の方には、残念ながら非常に厳しい戦いになると考えています。 ただ、その中でも成功する人は、DIYがプロ並みで自分で修繕できる方でしょう。自分で正しい修繕方法を知っていれば、修繕コストを極限まで抑えられます。ただし、年収500万円から600万円の会社員の方が、十分な知識がないまま購入すると、客付けができない、修繕費がかさむ、売却益がかさむといった3重苦に陥る可能性があるので、十分注意しましょう。 町田建登 ライフシフト合同会社 代表 ※本記事は『フィリピン不動産投資術 ~月6万円から始められる年利8%のホテル投資のコツ~』(ビジネス教育出版社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
町田 健登