「ゴアテックスは洗うべし」アーク、ノース、パタゴニアetc.ブランド横断で製品ケアについて熱弁!
機能素材の雄「ゴアテックス(GORE-TEX)」。ゴアテックスを開発するゴア社では、1992年にライフサイクルアセスメント(工業や農業製品またはサービスが作られ、その役目を終えるまでに辿る一連の流れを、評価や査定すること)を導入した。 ▶︎すべての写真を見る そこで分かったのは、ゴアテックス プロダクトが環境に与える影響を最小化するいちばんの方法は、製品の使用期間を長くすることだった。 このたび、アウトドアブランドのアークテリクス、ザ・ノース・フェイス、パタゴニア、さらに他業界からパナソニックが集結。製品のケア方法についてフォーカスしたトークイベントがメディア向けに開催された。 これまで各社がさまざまな活動の中で発信してきた、この「お手入れ(ケア)」と「その理由(メリット)」について、業界の垣根を越えて、熱い議論を交わした。
ゴア社が伝えたい「ウェアを洗う」ことのメリット
ゴア社は、これまでさまざまな活動を通して、”洗ってケア”することの大切さを発信してきた。消費者へ徐々に広がっていくのを感じるのと同時に、もっと認知を拡大する必要性も痛感しているという。 それはゴアテックスを採用した製品を開発する各社も同様だ。アークテリクスの室田さんは言う。 「『そもそも洗ってよいか分からない』、『洗ってはいけないと思っている』という声を多く聞きますが、ゴアテックス プロダクトは洗っても大丈夫。アークテリクスの修理専用カウンターに持ち込まれるウェアを見ると、洗っていないウェアの方が製品寿命は短い傾向にあるように感じます。 『洗うとウェアがダメージを受けるのでは』という方がいらっしゃいますが、”洗う”より”洗わない”方がダメージは大きい。ウェアに付着している皮脂や油分がシームテープの剥がれや剥離の原因となるため、定期的な洗濯はダメージではなく、むしろ長持ちにつながります」(アークテリクス、室田さん)。
洗濯は製品寿命の延長以外にも大きなメリットがある。撥水機能の回復もそのひとつだ。撥水機能が低下すれば当然、ゴアテックス プロダクトが持っている本来のパフォーマンスは発揮できない。 パナソニックは、撥水機能の回復に適した温度で乾燥してくれる「はっ水回復コース」を搭載した洗濯機を開発。驚くことに、ボタンひとつで簡単、かつ均一に撥水機能を回復できるという。