【MLB】0勝10敗の投手がFA市場で注目を集める可能性 その理由とは? 米公式サイトのアナリストが分析
今季ホワイトソックスでプレーしたマイケル・ソロカは25試合(うち9先発)に登板して0勝10敗、2ホールド、防御率4.74に終わった。未勝利かつ10敗以上でシーズンを終えたのは1982年のテリー・フェルトン(ツインズ/0勝13敗)以来42年ぶりのことであり、サービスタイム(=メジャー登録日数)が6年を超え、シーズン終了後にはFAとなった。しかし、このソロカが今オフのFA市場で注目を集める可能性があるという。その理由を米公式サイト「MLB.com」のアナリストであるマイク・ペトリエロが分析している。 2024年ポストシーズンの日程・結果一覧 2015年ドラフト1巡目(全体28位)指名でブレーブスに入団したソロカは、2018年にメジャーデビューし、翌2019年には13勝4敗、防御率2.68の好成績を残してオールスター・ゲームに選出。新人王投票で2位、サイ・ヤング賞投票でも6位にランクインした。ところが、2020年に右アキレス腱断裂の大怪我を負ったところからキャリアが暗転。2020~23年は合計10試合しか投げられず、今季は0勝10敗に終わった。通常であれば、このようなキャリアの投手がFA市場で人気を集めることは考えにくい。 しかし、今季9先発で0勝5敗、防御率6.39と結果を残せず、ブルペンに配置転換されたあとのソロカのピッチングは決して悪くなかった。リリーフでは16試合に登板して36イニングを投げ、0勝5敗ながら防御率2.75、奪三振60、与四球20、被打率.189を記録。与四球の多さは気になるが、150人以上の打者と対戦したリリーバーのうち、三振率39%はメイソン・ミラー(アスレチックス)に次ぐ2位の数字である。故障もあり、後半戦は3試合しか投げられなかったが、この3試合で対戦した26人の打者から13個の三振を奪い、わずか2安打に封じた。ペトリエロは「救援投手ソロカ」に可能性を見出したのだ。 ペトリエロはリリーフ転向後にソロカの成績が向上した要因として「球速がアップしたこと」や「質が落ちて打ち込まれていたシンカーを封印し、4シームとスライダーが主体のピッチングに切り替えたこと」などを挙げている。今季のルーク・ウィーバー(ヤンキース)のように、一流のリリーバーに変貌する可能性をソロカは秘めているのだ。惨憺たる1年を過ごしたソロカだが、「救援投手ソロカ」の可能性を評価したチームから意外な好条件のオファーを得ることになるかもしれない。