競技フットサルでどう“2回目”を集客するか?「Fリーグに、その魅力はある」【特別インタビュー/アビームコンサルティング株式会社 執行役員 プリンシパル・久保田圭一氏】
成功・失敗体験をクラブ間で共有する
──今回はクラブ別に観客動員目標を設定して、想定される集客力に応じたグループ分けもしています。こうした算出はどのように決めたのでしょうか? 昨シーズンの各クラブの平均観客動員数の110%で考えています。グループ分けしたのは、仮に平均800人のクラブは、平均1,300人のクラブに10%増の目標では勝負できないですから、現状の集客の規模感を踏まえて取り組んでもらうためのものです。 ──各クラブの合計目標が20万人ですが、その数字をどのように捉えていますか? これは、“頑張ればなんとかなる”という感覚です。達成できなくはない数字です。ただし、各クラブが忘れずに努力を続けないと達成できない数字だと思います。 ──8月3日時点では、F1の中断前までで、レギュラーシーズンとファイナルシーズンを合わせて3分の1を終えた時点で、F2はシーズン折り返し時点でした。20万人の目標に対して7万779人という数字をどのように評価していましたか? 総試合数で言うと半分弱という時点での数字ですから、厳しいと感じていました。ただし、今回の「集客」を意識した取り組みは初回ですし、目標設定も手探りではありましたから、そこも含めて現状を知る機会だと捉えています。各クラブのホームの試合数の消化状況も異なりますから、リーグ戦の中盤、終盤にかけて盛り返していけるといいですね。 ──各クラブからはこの施策についてどんなリアクションがありますか? 基本的に、クラブのみなさんも「集客は一番大事」だという認識をもっていますし、自分たちでやらないといけないことだという理解もあります。ですから、この企画に対して賛同と言いますか、ポジティブに捉えて取り組んでくださっている感覚があります。 それと同時に、各クラブの取り組みを互いに共有しようとする動きが生まれています。 各クラブの人材の入れ替えは当然、いつでも起きることです。新しい担当者へ引き継がれているとは言え、スポーツクラブの運営現場の仕事は簡単ではありません。集客が大事と言いつつも、なにをどうしたらいいか戸惑うケースも多いはずです。うまくいったこともそうですし、逆にうまくいかなかったことを含め、クラブの広報同士が相談しやすい環境をつくっていくことも私たちのできることですから、そうしたサポートもしています。 ──女子Fリーグの『ABeam AWARD』はどのように表彰していくのでしょうか? 女子Fリーグについては、各クラブの施策がどれくらい集客に効果を挙げているのか、新規顧客獲得の客観的な数字も大事にしますが、既存のファン・サポーターのエンゲージメントを上げる取り組みについても報告をしてもらって、我々で判断させてもらいます。 女子はセントラル開催の方式を採用していますし、ホームの扱いを男子のように考えることが難しいですからね。それに、男子よりも女子のほうがクラブ内のリソースは多くないですから、あまり複雑なことはできません。今回はクラブごとに取り組みを報告してもらい、その中から素晴らしいものを『ABeam AWARD』として表彰させてもらいます。