遺品整理の現場に犬猫の遺体が放置される現実「ペットも大事に送り出したい」と火葬サービスを始めた女性の挑戦
遺品整理からペットの火葬、ペットタクシーなど、ユニークな事業を展開する株式会社プログレス。代表取締役の森山友祐子さんは、プロのヘアメイクとして自身のキャリアをスタートさせた、異色の経歴の持ち主です。ヘアメイクからまったくの他業種に飛び込んだ経緯とは?(全2回中の1回) 【写真】「いまと全然違う!」全身黒づくめ&強いメイクが特徴的な転職前の森山友祐子さん(全13枚)
■ヘアメイクから遺品整理の会社へ…バイトから気づけば取締役に ── 前職は、テレビ局でヘアメイクを担当していたそうですね。 森山さん:子どものころから「メイクさん」になるのが夢だったんです。美容系の専門学校を卒業後、下積みを経て、26歳のときに念願だったテレビ業界のヘアメイクになりました。目の前の相手がメイクの力でどんどん輝きを増していく瞬間が大好きでしたね。
ただ、上下関係がとても厳しく体育会系の職場だったので、何時間も待機してテカリを抑えるだけだったり、荷物持ちで1日が終わってしまうことも。もちろんそれらも大事な仕事ですが、「こうしてみたい」という思いが叶わないもどかしさでモチベーションが保てなくなってしまって。「指示されたことをやるより、自分で考えて動くほうが私には向いているんだな」と実感し、1年半で転職を決意しました。 ── そこから、どんないきさつで今のお仕事に?
森山さん:それまでメイク一筋だったので、違う世界も見てみたいとアルバイトで入社したのが、遺品整理を行う今の会社でした。現在はグループ総数で約350名の従業員がいますが、当時は社員数名の小さなベンチャー企業。フランチャイズ形式で全国展開をしていました。社長との距離感が近く、起業を視野に入れていた私にとって、経営を学ぶのにピッタリの環境。社長もどんどん質問してくる私を「やる気があっておもしろいヤツだ」と買ってくれ、ビジネスの場に同行させてくれました。その後、「会社を大きくしたいから手伝ってほしい。自分の会社だと思って自由にやってみて」と言われ、事業の拡大に尽力。入社3年で取締役に就任しました。