最悪なら膝下切断、たこの小さな傷や巻き爪に気づかないと… 異変を見つけて「足病変」を予防するには? フットケアの日に考える
2月10日はフットケアの日―。足には加齢や慢性疾患に伴い、さまざまなトラブルが生じる。自分の足で歩けることは健康維持のために重要だが、そのためには日頃からのセルフケアが大切だ。日本では糖尿病や動脈硬化による潰瘍や壊疽(えそ)といった「足病変」が増加しており、重症化すると足切断や歩行機能の低下に至る場合も。フットケアの意義やポイントについて、県内の医療関係者に聞いた。 (中山有季) 【写真で解説】足の痛みを防止や改善 正しい靴の履き方
■扁平足や外反母趾 足の骨格が崩れている人は多い
1日、飯田病院(飯田市)のフットケア外来を受診した80代女性は、処方された室内履き用サンダルの中敷きを試していた。外反母趾(ぼし)の影響でたこができて歩くのがつらく、外履きの靴は既に調節した。今回は、家の中をスリッパで歩いても痛みがあるため相談していた。「これならすごく楽。なるべく長く自分の足で歩きたいって、痛くなってつくづく思う」
この女性の場合、リウマチの持病もあり足の変形に悩んでいたが、同外来担当の竹内和航(わたる)・循環器内科医長(41)は「リウマチなどの疾患がなくても足の骨格が崩れている人は多い」と指摘する。扁平(へんぺい)足(土踏まずが低下、消失した状態)や開張足(足の親指から小指にかけての横方向のアーチが崩れた状態)、外反母趾などの骨格変形からくるたこやうおのめの痛みの相談は多く、靴の選び方や履き方を指導し、必要ならば中敷きを処方。たこやうおのめは専用の機械で削っている。
■爪切りできず足に刺さり深い傷になるケースも
同外来の受診者は半数程度が75歳以上の後期高齢者。竹内さんによると、足に手が届かないなどで足の爪切りができずに放置し、トラブルを抱える患者がここ数年増えている。爪が反った状態で伸びて足に刺さり深い傷になるなど深刻なケースもある。
また、新型コロナ下の運動不足による足のむくみの相談も増加。ふくらはぎの筋肉には「筋ポンプ作用」があり、心臓に戻る血流を流れやすくしているのだが、この筋肉を使わないと血流が悪くなって足がむくみ、痛みや重だるさにつながる。むくみから「静脈性潰瘍」になると治りづらく治療に数年かかるケースもあり注意が必要だ。