【詳細解説】いよいよスタートした岸田首相“肝いり”の「定額減税」 1人当たり“4万円”減税も、ルール複雑で国民困惑「何が起きてて何がどうなってどうなるのか…」対象者・方法・効果を専門家がわかりやすく解説
個人事業主は、7月に予定納税額がある場合、減額申請を行い減税されます。予定納税額がない場合は、2024年分の確定申告で減税されます。年金受給者の場合は、年金の源泉徴収の段階で定額減税を適用します。 Q.個人事業主は自分で申請しないといけないのですか? (加谷氏) 「そういうことになります。個人事業主の場合前年度の収入を前提に、先に納税するという仕組みがあるので、そういう人の場合は申請しないと減税になりません」
減税しきれない人の場合、地方自治体から給付されるということです。その目安の給与は、単身世帯の場合210万円程度までの人。4人家族で扶養が3人の世帯の場合、535万円程度までの人となっていて、1万円単位で切り上げでの給付となるため、減税されなかった額が1000円でも1万円が給付されます。 Q.不公平だという人も出てきますよね? (加谷氏) 「おそらく政府としては事務処理を簡便にするために、1万円単位にしたと思うのですが、こういう不公平な面があるのは事実です」
5月29日、鈴木財務相は“不公平”の指摘に、「定額減税と給付金の合計額が4万円を超える方もいると認識している。可能な限り公平となるように配慮しつつも、地方自治体の事務負担を極力少なくし、国民の皆さんに迅速に支援を届けるために必要なものである」と答えています。
現場からは困惑の声も…給与明細への減税額の明記義務化 違反が認められたら罰則示唆も「ちょっと無理やりかなという印象は否めません」
岸田首相は、「減税の恩恵を国民に実感してもらうことが重要で、給与明細へ明記されるようにする」として、企業などへ所得税の減税額を給与明細に明記するように求めました。これに対して、立憲民主党の辻元清美議員は「国民に減税をアピール。増税負担増はステルス(秘密裏)だ。増税のときも義務として(増税額を)書かせるのか」と批判しています。 Q.自治体の負担は減っていますが、企業の経理の方の負担は大変ですね。 (加谷氏) 「日本は“源泉徴収制度”で一方的に税金を取って、その税務を企業に丸投げするというシステムなので、企業が作業を負担しなければいけないんです。私たち納税者は明細をよく見ないので、いくら税金を取られているかわからないため、“源泉徴収制度”は国民があまり納税者意識を持たない政府には得な制度だといわれていました。ところが、今頃になって『納税者意識を持て』というのは怒る人が多いのではないでしょうか。また、そうなのであれば、ちゃんと確定申告で税金を安くしたい人はたくさんいますし、政府の予算をチェックしたい気持ちにもなってしまいますので、何を言い出しているのかな?という感じがします」
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