黒石公園にビエンナーレ彫刻 地区待望、初移設に喜びの声【宇部】
第29回UBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)で柳原義達賞を受賞した藤沢恵さんの作品「Inflating shadow」が6日、宇部市厚南東須恵の黒石公園の一角に移設された。黒石地区にビエンナーレ入賞作が設置されるのは初めて。 移設した彫刻は、御影石など複数の石材が用いられており、重さ3・5㌧、高さ2㍍、幅5㍍、奥行き1・8㍍の大型作品。2㌧トラックとクレーン付きの4㌧トラックで、彫刻を形作る二つのパーツを運搬し、クレーンでつり上げ、位置を慎重に決めながら設置した。 同公園に隣接する松江八幡宮の白石真三宮司は「以前から地区として要望しており念願がかなった。設置作品は、母がわが子に手を差し伸べ、共に階段を上る姿を表現しているそうで、子育て世代の多い黒石地区にぴったりと感じている。地域住民の憩いの場でもある公園で、彫刻に親しんでもらいたい」と喜んだ。来年春までに、地区での彫刻のお披露目式を予定しているという。 同展入賞作品の地域への設置は、第26回展(2015年)から始まった。ビエンナーレの歴史とともに育まれた彫刻との関わりを市民の財産と位置付け、アートの力をまちづくりに生かす取り組み。各地区からの設置希望を受けて、同展運営委員会の彫刻展示委員会が作品と景観が相応すると判断した場合に移設している。