予約制乗り合いタクシー、町またぎ運行 多気と明和、中継ポイント設け 三重
【多気郡】三重県の多気、明和両町と予約制乗り合いタクシー事業者などは25日、車両を乗り継ぎ両町をまたいで移動できる広域連携プロジェクトの出発式を、明和町金剛坂に新設した中継地点で開いた。住民の生活圏に合わせて運用を拡大した。広域連携は県内初となる。 多気町には三重近鉄タクシーが予約に応じて運行する公共デマンド交通「でん多」があり、明和町はアケミ交通と明和タクシーの「チョイソコめいひめ」がある。明和町は予約センターで三重トヨタが提供するAI(人口知能)システムを使い、AI未対応の多気町も同一システムを導入し、行政単位をまたぐ予約と乗り継ぎ移動を可能にした。 でん多の運行エリア拡張に合わせ、中継ポイントを新たに設け、乗り換える仕組みにした。乗り換え場所は明和町金剛坂のヘアサロン「デューポイントDCモール金剛坂店」前に設けた。多気町から明和町金剛坂の医療・商業集積地への年間来訪者は約1万人を数え、その3―4割が65歳以上の高齢者とみられる。 国の補助金を活用して65歳以上と障害者を対象に来年1月18日まで実証運行する。 出発式であいさつに立った久保行央多気町長は「隣の町へ行くのに交通手段がなかった。住民のニーズが多くなってきたので、足を確保していく」と述べ、下村由美子明和町長は「暮らしの幅が広がる」と期待した。 広域連携は岐阜県各務原市が今月、岐阜市などと運用したのに続き全国2例目となる。