箱根駅伝 青学大が2年連続8度目の総合優勝 6区の野村昭夢が区間新記録で初代大会MVP
第101回東京箱根間往復大学駅伝競走復路(3日、神奈川・箱根町芦ノ湖駐車場-東京・大手町=109.6キロ)青学大が往路の5区から一度もトップを譲らず、10時間41分19秒の大会新記録で2年連続8度目の総合優勝を果たした。6区の野村昭夢(あきむ、4年)が56分47秒の区間新記録で後続を突き放すと、8区の塩出翔太(3年)、10区で大学三大駅伝初出走の小河原陽琉(ひかる、1年)も区間賞に輝いた。野村は金栗四三杯と大会MVPをダブル受賞。往路4位の駒大が5時間20分50秒の復路新記録をマークし、2分48秒差の2位に入った。 102万人が沿道を埋め尽くした第101回の箱根路。今年も青学大が笑顔で大手町に戻ってきた。青学大のアンカー、小河原は両頬を指さしてゴールに飛び込んだ。 「笑顔のポーズです。沿道の皆さんがすごく応援してくれて、すごく気持ちよく走れた。優勝のゴールテープが切れてうれしい」 昨年10月の出雲駅伝、11月の全日本大学駅伝はともに3位。いずれも国学院大に1位を譲ったが、10人勝負の箱根は分厚い選手層で連覇を達成した。昨年を上回る10時間41分19秒で大会新記録を樹立。全10区間中、5人が区間賞を獲得し、2人が区間新記録をたたき出した。 ライバル校がエースを温存し、復路逆転を狙う中、王者は6区で勝負に出た。標高差約800メートルを一気に下る大役を任されたのは前回も6区で区間2位の野村だった。山下りのスペシャリストは、仲間がシューズに書き込んだ「転がり落ちろ」のメッセージを体現するかのように、急勾配もカーブも臆せずに加速。終盤は左足裏に水ぶくれができて痛みも走ったが、2020年に館沢亨次(東海大)がマークした区間記録を30秒も上回る56分47秒で区間新をマーク。後続を大きく突き放し、「前人未到の56分台に突入できてよかった」と胸を張った。 昨年4月に6区56分台の目標を立てた。大学3年間は故障に苦しんだが、4年目で練習量をコントロールする術を身につけ、今季は大きなけがもなく練習を継続できた。「高い目標を立てて、一日一日練習することが大事」と最後の箱根路へ集中力を高めた。 山を制するものが箱根を制す-。青学大は往路の山上りの5区でも若林宏樹(4年)が区間新で区間賞を獲得。同じ大学が山区間の5、6区で区間新をマークして優勝したのは1983年の日体大(5区岡俊博、6区谷口浩美)以来、42年ぶりの快挙だった。